月別アーカイブ: 2012年11月

『スマートフォン チャンス!』

手嶋浩己・須田将啓・武石幸之助・紺野俊介・杉井信一郎・岩野義史・野田順義・山田翔・上路健介『スマートフォン チャンス!』(インプレスジャパン 2011)を読む。

一般消費者向けの本ではなく、これからスマートフォンビジネスに参入を目論む業者向けに、フィーチャーフォンビジネスとの違いや、広告のうちかた、課金システムの構築などの指南書となっている。著者はまず始めに、スマートフォンを「ハードウェア(の進化)」「ソフトウェアのアーキテクチャー」「ネットワークの通信手段」「デバイス形態の多様さ」「アプリとブラウザ」「クラウドサービスとの強い連携」「グローバルな共通基盤」の7つの点から定義付けている。

そして従来の携帯電話とPCの中間に位置しながらも、どちらとも付かないスマホ独自のビジネスモデルについて詳細に書かれている。特にスマホには、フィーチャーフォンの公式アプリように電話会社が代行して料金を徴収する仕組みがないため、継続して利用してもらいながらビジネスとして成立させる工夫が大切である。著者はいずれもモバイル業界の最先端で活躍する人たちなので、自身の経験に根ざした提案を行っている。

後半はCTRや、ROI、CGMといったアルファベット用語がたくさん出てきたので、斜め読みになってしまった。

『ハイウェイマン』

地上波で放映された、クレイグ・ミッチェル主演『ハイウェイマン』(2003 米)を観た。
車で人をひき殺すことに快感を覚える改造人間のような偏屈男と対決する、妻を殺された主人公と、父母を交通事故でなくした女性との恋愛を絡めながらのアクションB級映画である。感想はない。

『迷走政権との闘い』

社会民主党党首・福島瑞穂『迷走政権との闘い』(アスキー新書 2011)を読む。
表紙の肩書きに「社会民主党党首」と書かれており、民主党批判以上に社民党の国会内外での成果を大々的に宣伝するプロパガンダの要素が強い本であった。社民党はTPPに明確に反対を表明しているが、そのTPPについての一節が印象に残ったので引用してみたい。

TPPの弊害は、農業だけでなく他の分野にも及びます。金融、司法、労働力、医薬品、医療サービスなど、どんどん自由化することで影響が出てきます。安い労働力が入ってきて、これまで以上に日本人の雇用が悪化するということも考えられます。もしかしたら、「輸出産業vs.国民の生活」というふうに対立軸を立てた方がいいのかもしれません。「農産業vs.他産業」という対立軸ではなく、本質的には「輸出産業vs.国民の生活」というのがTPPの対立軸なんです。