日別アーカイブ: 2011年11月26日

『IT汚染』

吉田文和『IT汚染』(岩波新書 2001)を読む。
パソコンや携帯電話などのハイテク製品で広く用いられている半導体やディスプレイの製造過程で出る汚染水や、また、廃棄の過程で出る鉛やカドミウムが原因の水環境汚染や土壌汚染について具体的な報告と、求められる対策について述べられている。一般にIT製品というと「クリーン」なイメージが付き纏うが、製造や廃棄において有害が有機溶剤や有毒ガスが大量に用いられている。

また、先日のタイの洪水被害で明らかになったが、日本の半導体メーカーも数多くアジア諸国に工場を持っている。そこで、大規模な工業団地を建設し、伝統的な農村共同社会を崩壊させ、土壌汚染や地下水汚染などの公害を引き起こしている現状も報告されている。

筆者はISO14001の取得のように、まず製造者責任を明らかに、企業側に法的、倫理的な責任を課すことを第一義的な解決策として結論づけている。