月別アーカイブ: 2010年4月

『国境の南、太陽の西』

村上春樹『国境の南、太陽の西』(講談社文庫 1995)を読む。
2・3日前から、新聞やテレビで『1Q84』の第3巻の発売が大々的に報じられている。そこで、自室の本棚の天板の上に堆く積み上げられた本の山から「村上春樹」と名がついた文庫を一冊引き抜いて読んでみた。
途中、「数年前にも読んだことがあるな」と軽く後悔したが、内容はすっかり忘れていたので最後まで楽しむことができた。ちょうど私と同じ、子どもが二人いて、一応の満足できる生活レベルにいる36、7歳の男性が主人公の話だったので、共感しながら読むことができた。

新しい生活の緊張感がまだ続いている。日曜日の今日も9時間たっぷり寝たにも関わらず、レストランや車の中で何度も昼寝をしてしまった。
慌てない、慌てない、一休み、一休み。

『顔のない裸体たち』

平野啓一郎『顔のない裸体たち』(新潮社 2006)を読む。
中学校女性教諭と市役所勤務の男性職員がインターネットの出会い系サイトを通じて出会い、露出撮影や野外セックスにどんどん嵌っていく様子が描かれる。顔や住所といったプライバシー情報は守られながら、裸という最もプライベートな部分がネット上でどんどん公開されていく奇妙な現在の風潮を象徴的に描き出されている。

気忙しい日々

4月に入って気忙しい日々が続いた。
大したこともやっていないのだが、やはり緊張しているのであろう、本日も夕方、家に帰ってぐったりと昼寝(?)をしてしまった。
まだ、これからスタートダッシュの日々が続く。「燃え尽き症候群」にならないように、心身ともに余裕を持たせながら頑張っていきたい。

『なんで私が東大に!?:普通の子が「難関校」を突破する四谷学院方式とは』

受験と教育を考える会『なんで私が東大に!?:普通の子が「難関校」を突破する四谷学院方式とは』(アーク出版 2008)を読む。
「55段階」のCM文句で有名な四谷学院の宣伝本である。マスプロ教育の大手予備校で失敗した受験生が、四谷学院の親身な指導で見事難関国公立大学に逆転合格したという成功譚が数多く紹介されている。しかし、最後まで読んでも肝心の55段階の中身は分からない。
類推するに、公文式に近いプログラム学習と個別指導が組み合わされた内容で、受け身がちなの今時の「ゆとり世代」にとっては馴染みやすいシステムなのであろう。

『ブッダ・ロード』

川人忠幸インド写真集『ブッダ・ロード』(角川文庫 1897)を読む。
誕生のベナレスから入滅したとされるクシナーラーまで、ブッダ自身が放浪したとされる場所に暮らす人々の生活や自然、遺跡の風景を収めた写真集である。
苦行に喘いだブッダの時代と変わらないであろう砂漠や草原が広がるが、そこで生活する人々の表情には険しいながらも充実感があるように感じた。