月別アーカイブ: 2007年8月

『消えた街道・鉄道を歩く地図の旅』

忙殺される夏休みの僅かなすき間をぬって、赤城山、榛名高原へ出掛けた。うねうねした山道が続く恰好のドライブロードでツーリングを楽しむバイク乗りをたくさん見かけた。

堀淳一『消えた街道・鉄道を歩く地図の旅』(講談社+α新書 2003)を20ページだけ読む。
タイトル通り、旧中山道や鎌倉街道、旧足尾銅山鉱石搬出路など現在の地図からは消えてしまった古道や街道を実地に踏破した旅行記で、かなりのマニアックな内容となっている。どこどこを右折だの、この目印を過ぎて道なりに数キロなどの説明が延々と続き、途中で挫折した。これまたトレッキングバイクがあれば、すぐにでも旅立てるのにと思った。

『個人識別』

勾坂馨『個人識別』(中公新書 1998)を読む。
法医学を専門とする著者が死体から血液型やDNA、歯形などから個人を識別する方法を説く。血液型の検査方法やDNAのスクリーニング方法など専門的な説明が多く、後半は読み飛ばしてしまった。法医学を専攻とする医者の警察とのつき合い方など一般受けする内容ではなかった。

NHKスタジオパーク

昨日、NHKスタジオパークに子どもを連れて出掛けてきた。酷暑の中で、10キロの子どもを抱えて渋谷まで行くというのは大変な苦行であった。しかし、毎日(!)テレビで目にしている「ワンワン」に会うことができて、子ども以上に大人の方が楽しかった。それにしても、思った以上にワンワンは大きかったんだワン!

 

『不夜城』

馳星周『不夜城』(角川書店 1996)を読む。
中国系マフィアや台湾ヤクザが暗躍する、24時間眠らない街—不夜城—の歌舞伎町を舞台にした作品である。台湾人と日本人の半々である主人公健一が、信義、友情、愛情、裏切りそして殺人の交錯するヤクザ世界を渡り歩く中で、自分のアイデンティティや人間不信を問い詰めていく。ド派手な銃撃戦や心理的駆け引き、またエンターテイメントに付きものな濡れ場シーンなどスリリングな展開で、時間も忘れ一気に読んでしまった。最後はお涙頂戴的な悲しい結末を迎えるが、その中に純愛を必死に求めようとする主人公の姿も描かれており、単純に面白いと広言できる作品である。先日読んだ「夜光虫」よりも話がシンプルな分だけスピード感があるように感じる。

『産んではいけない!:少子化なんてくそくらえ』

楠木ぽとす『産んではいけない!:少子化なんてくそくらえ』(太田出版 2001)を読む。
子どもは笑顔も寝顔も無邪気で純粋な「天使」だというのは全くの虚像で、一日中、そして一年中、もしくは一生母親を悩まし続ける「悪魔」であると経験をまじえて延々と語り続ける。溜まりに溜まった専業主婦の恨み辛み節が爆発する。しかし、最後にこうした子育て地獄に陥ってしまうのは、偏に母親だけの問題ではなく、長時間労働ゆえの父親の育児不参加や育児にかかる経済的不安などの政治・社会的な問題であると怒りの矛先が転じていく。