藤岡信勝自由主義史観研究会『教科書が教えない歴史…A』(扶桑社 1996)を読む。
産経新聞に連載されていたコラムをまとめたもので、近現代史における細かな事件なり人物を取り上げて、日本の大和魂を賛美する内容となっている。明治維新以降の日本は大和魂を発揮して欧米に伍して自らの文化を守り抜いたにも関わらず、現在の日本人は日本が悪かったとGHQが一方的に作り上げた東京裁判史観に毒されていると藤岡氏は述べる。一人一人の人物描写が丁寧で読み物としては面白いが、歴史の流れの全体像は崩れてしまっている。詳細は新しい歴史教科書を作る会のホームページを参照されたし。
月別アーカイブ: 2005年6月
『中学校の「英語」を完全攻略』
大鐘雅勝『中学校の「英語」を完全攻略』(PHP研究所 1997)を読む。
まだまだ中学英文法は理解出来ていると自信を得た。最近の中学校の英語は会話中心で構成されていることに改めて気付かされた。
『マンガ ユング深層心理学入門』
石田おさむ『マンガ ユング深層心理学入門』(講談社+α文庫 1997)を読む。
フロイトとの確執が単純に分かりやすく書かれている。要は、幼児期に形成された抑圧された性意識という個人の経験を切り口とするフロイトに対して、綿々と受け継がれてきた人類普遍の無意識の世界を解明することを目指すユングの違いと考えることができる。といっても中身の薄い本でユングの目指した深層心理学については概要を掴むことすらできなかった。
『バタフライ・エフェクト』
今夜は、わざわざディズニーランド近くのイクスピアリへ、エリック・ブレス監督『バタフライ・エフェクト』(2003 米)という映画を観に行った。
自分の記憶を操ることで現在の自分の置かれている境遇を変えていくという斬新なアイデアで、ラストまで楽しむことが出来た。途中、本筋とは全く関係ない人種差別発言があるのが残念である。この差別発言が配給にも影響したのであろうか。全米公開からかなりの時間が経っての日本公開である。
『国連新時代:オリーブと牙』
外岡秀俊『国連新時代:オリーブと牙』(ちくま新書 1994)を読む。
朝日新聞の記者である著者が、湾岸戦争後の国連の内情について述べる。国連というと日本では右派も左派も「お上意識」を発揮させ、あたかも国の上に位置する国際組織だと考えてしまいがちである。つまり右派は国際政治の元締役を演じる国連で中心的な立場を担いたいと考え、左派は世界平和を目指す国連に日本の政治は規定されるべきだと考える。どちらも国連を自分たちの都合の良いように解釈し、現実性の無い机上の空論を闘わせている。
しかし現実の国連、特に安保理の正式な会議は形だけのものとなっており、5大国の秘密の電話協議などで政策の大枠が決められているという。9条をないがしろにして、利権の絡む安保理入りを目指す政府は是非国連の内情について勉強してもらいたいものだ。