日別アーカイブ: 2001年12月24日

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

先ほど定食屋で読んでいた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(少年ジャンプ1月15日号)の話が妙に気になった。「コンビニ現代事情」という題で、コンビニの達人である店長が客の動向の先を読んで、商品を仕掛けていくという話だった。おでんや肉まんやら、マンガを並べていくのだが、それがぴったりと当たるのだ。店長の分析によると、個人の生活パターンは大方変化がないためいつも同じ時間に同じ商品を買っていくというのだ。

翻ってみるに、私も朝いつも5分と違わず同じコンビニを利用している。そこで朝食を買うのだが、コーヒーやら肉まんやらサンドイッチやらおにぎりやら大体買うものもパターン化してしまっている。私は偏向性が強いため、缶コーヒーの銘柄まで決まっている。しかもいつも同じ時間に利用するため、レジを打つ店員もいつも同じパートのおばさんである。そういえばあのピザまんの出し方といい、思い出してみれば私の動向も読まれている節がある。

近所の定食屋でも私はほとんど同じものを注文し、決まって御飯のおかわりをする。しかし、定食屋のおばさんは顔なじみで私のことも知っているため、行動パターンを読まれてもさして気にならない。しかしあらゆる商品が分刻み管理されるPOSシステムを活用しているコンビニと近所の定食屋では事情が違う。憶測に過ぎないにしろ、個人の動向がデータ化されているのでないかという恐怖は現代人の多くが共有するところであろう。

『海峡物語』

五木寛之『海峡物語』(講談社文庫)を読み返す。
『艶歌』(「小説現代」1966年12月号)に続く高円寺竜三主人公の作品である。演歌という日本人の保守性の塊のようなものから日本の戦後経済成長の激しさを伺う作品である。

最近疲れがたまっていて読書の時間もろくに取れない。もう少しで仕事が一段落するので、さまざま自分を見つめ返す時間にしたいと思う。あと5日でここ3、4ヶ月の忙しさがひとまず終わる。