映画」カテゴリーアーカイブ

『座頭市』

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テレビで録画した北野武監督『座頭市』(2003)を見た。
月並みな表現だが、北野武扮する盲目の浪人である座頭市の落ち着き払った姿が〈静〉の世界を成し、心の緊張を象徴する太鼓の激しいリズムが対比的に〈動〉の世界を作り上げる。画面は暗く動きも少ないのに、効果音だけは高まっていく画面構成が印象的であった。そして最後はタップダンスという形で大団円を迎える。まさに映画ならではの手法である。
思うのだが、この作品をもしノベライズするならば、徹底した心境小説にならざるを得ないであろう。

『ハウルの動く城』

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宮崎駿監督『ハウルの動く城』(2004 東宝)を観に行った。
魔法使いが活躍する一流のファンタジーである。話の展開が早く、物語世界の全体がぼやけているので、大人が観るに「すっきりしない」作品だという印象は免れないだろう。しかし、『千と千尋〜』を彷彿させる明るい基調の作品で、子どもには人気を博す作品となるかもしれない。

『オールドボーイ』

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パク・チャヌク監督『オールドボーイ』(2004 韓国)を観に行った。
15年間監禁された男の物語という宣伝だったので、トラウマに悩みながら監禁した者と対決する単純な話かと思っていたが、次から次へと男が監禁されるに至った謎が明らかになっていき、犯人が絞り込まれていく推理ドラマのような作品だった。

『2046』

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ウォン・カーウァイ監督映画『2046』(2004 香港)を観に行った。
ほとんど訳が分からない作品であった。”2046″といいう長期滞在型ホテルの部屋を巡って男と女のすれ違いの不条理が描かれる、まんまフランス映画ののりであった。しかし、そういった上品な恋愛映画にアンドロイドだのミステリートレインだの変にSFテイストを加えているために、作品の全体が壊れてしまっている。結局中国の女優チャン・ツィーは可愛かったという感想しか残らない。

『感染』 『予言』

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落合正幸監督脚本『感染』・鶴田法男監督『予言』(東宝 2004)を観に行った。
2本立てで3時間半ずっと不協和音を聞き続けへとへとになった。手法としてはどちらもきわめて古典的な内容であるが、場面転換がテンポよく中だるみのない展開で、その分だけ疲れを癒す場面が少なく緊張しっぱなしであった。