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『レフト・アローン』

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昨日、渋谷のユーロスペースへ、井土紀州監督『レフト・アローン』(2005)を観に行った。
六全協の頃の共産党運動を経験した松田政男氏や60年安保当時東大の共産同の活動家であった西部邁らに、文芸評論家である糸圭(すが)秀実氏がインタビューするという形で話は展開していく。
糸圭氏は、教条主義に陥った共産党に対して、1956年のスターリン批判を契機に生まれ、あくまで実力行動主義を貫こうとする新左翼運動を評価する。しかし60年安保や68年全共闘運動と、2001年の早大地下部室運動がどのような形で繋がっているのか理解できず、ただ、人間的なものを捨象してしまった左翼運動には興味がなくなってしまったよという西部邁氏の発言のみが光る内容となっている。パート2に期待したい。

『レフト・アローン』

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2005年2月5日よりユーロスペースにて

『レフト・アローン』公式ホームページより引用
1968年生まれのひとりの映画監督が、68年を探る映画を撮る。
学生たちの政治運動。革命。そして、68年を境に政治運動はカウンター・カルチャーと結びつき、80年代にはサブカルチャーとして脱色化されていく…。68年は、ニューレフト運動にとって決定的な転回点であった。映画は、2001年に早稲田大学で勃発したサークルスペース移転阻止闘争において非常勤講師でありながら学生達と共に大学当局と闘う批評家、スガ秀実の姿を捉えることから始まり、松田政男、柄谷行人、西部邁、津村喬にいたる60年代の学生活動家たちと対話を重ねていく。

『レフト・アローン1』では、ニューレフトの誕生から、花田清輝と吉本隆明の論争、68年の安保闘争に至る過程をスガ秀実、松田政男、鎌田哲哉、柄谷行人、西部邁とともに様々な角度から検証し、『レフト・アローン2』では、68年革命の思想と暴力という問題、1970年7月7日の華僑青年闘争委員会に始まる在日朝鮮人・中国人等に対する反差別闘争の衝撃、毛沢東主義の新たな可能性から、現在の大学再編と自治空間の解体をめぐって、ニューレフトの行方が、スガ秀実、松田政男、柄谷行人、津村喬、花咲政之輔によって語られていく。体制への反逆。60年安保という激動期。思想と暴力。それぞれの闘争と転機。悲劇から喜劇へ。そして、今なお左側を歩き続けていくことの孤独。早稲田の路地を歩くスガの後姿に、彼方に向かって糞を転がしつづけるスカラベサクレ(糞転がし)の姿が重ねられる…。

『モーターサイクルダイアリーズ』

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エルネスト・チェ・ゲバラの青春時代を描いた『モーターサイクルダイアリーズ』(2004 英米)を恵比寿ガーデンシネマへ観に行った。
おんぼろバイクで南米大陸を縦断しながら、ハンセン病に対する差別に苦しむ患者に触れ合ったり、また、資本によって故郷を失い貧しい暮らしを強いられる人々に出会う中で、国境によって分断されている南米の社会を底辺から変えていく決意を固める姿が描かれる。「共産主義革命」にも「キューバ」にも全く触れることなく、南米の人との掛け値の無い交流が、ノートン500の空冷単気筒のエンジン音に刻まれる印象深い作品であった。

□ 映画『The Motorcycle Diaries Movie』公式サイト □

『いま、会いにいきます』

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土屋裕泰監督『いま、会いにいきます』(2004 松竹)を観に行った。
竹内結子さん主演ということで、『黄泉〈よみ〉がえり』(2001)のように、数週間だけ現実世界に復活してまたあの世へ帰っていくだけの単純な映画かと思っていたが、様々な伏線が用意してあり面白かった。
ORANGE RANGEの「花」が歌詞も映画用に作られており、映画に”花”を添えていた。

□ 映画『いま、会いに行きます』公式サイト □

『僕の彼女を紹介します』

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クァク・ジェヨン監督『僕の彼女を紹介します』(2004 韓国)を観に行った。
監督も主演の女優も前作『猟奇的な彼女』と同じであり、どたばたのラブコメディで前作のような流れだろうと高を括りながら観ていたら、不覚にも目がうるんでしまった。純愛一本のストレートな映画であった。帰りに北与野の書店で早速サントラのCDを買って余韻に浸りながら帰途についた。特にX-JAPANの「Tears」という昔の曲が、映画の場面にぴったりだったせいもあり、気に入ってしまった。