映画」カテゴリーアーカイブ

『雨上がる』

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地上波で放映された、小泉堯史監督、寺尾聡主演『雨上がる』(2000 東宝)を観た。
江戸時代中期、享保の頃が設定となっており、まだ武士が武士らしく、殿が殿らしくあった時代の人情物語である。
寺尾聡演じる剣術の浪人三沢伊兵衛は、お人好しで誰にも親切丁寧、素直な性格の浪人だからこそ、世知辛い世の中では誤解を受けてしまう。しかし、最後は見識ある殿が浪人の恩義に報いようとするところで終わる。日本昔話やイソップ童話にありそうな設定の話で、「二人はそれからというもの幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん」といったハッピーエンドを想像させる終わり方であった。
最後殿が三沢伊兵衛に詫びを伝える場面が唐突に終わってしまった。放送時間枠の関係で打ち切りになってしまったのかと思ったが、どうやら最後の場面は上映段階でカットされてしまったらしい。

『御法度』

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地上波で放映された、大島渚監督、松田龍平・ビートたけし主演『御法度』(松竹 1999)を観た。
司馬遼太郎の原作を元にしていた異色の時代劇である。幕末の新撰組における衆道(男色)の流行がテーマとなっている。
当時の新撰組の血気盛んな雰囲気は感じられたが、肝心の男色を巡る愛憎模様はあまりよく伝わってこなかった。
生死を賭けた争いと隣り合わせの男色という設定に込められた意味がいまいち分からなかった。

3週連続放送エヴァまつり

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先週まで3週に渡って地上波で放映された、庵野秀明監督『ヱヴァンゲリオン新劇場版』の過去3作を続けて観た。
特に3作目の『新劇場版:Q』は、映画館で観て以来2年ぶりの鑑賞だった。
思えば、この『エヴァ』も最初のテレビ版を友人から借りたビデオテープで観てから20年近い月日が流れている。
また、学生時代に三浦海岸あたりまでバイクで出かけて、『エヴァ』の再放送の時間に間に合わなくなってしまい、横横をぶっ飛ばして帰ったこともある。
昨年訪れた伊勢神宮ではないが、自分の来し方行く末を占う上でのマイルストーンともなっている作品である。
自分の成長(下降?)と合わせながら楽しんでいきたい。

『告発のとき』

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地上波で放映された、ポール・ハギス監督、トミー・リー・ジョーンズ主演『告発のとき(In the Valley of Elah)』(2007 米)を観た。
イラク戦争から帰還してすぐに仲間から殺害された米兵の父親
常識が通用しないイラク戦争が若者の心を蝕む

『石炭のおはなし』

福島・いわき市のいわき湯本駅の近くにある、「いわき市石炭・化石館ほるる」で、『石炭のおはなし』(東宝教育映画 1950)を観た。
生活の燃料の主役が石炭から石油に移行する1960年代の前に作られた映画である。古い白黒フィルムの20分の映画で、石炭の活用方法と、採掘の現場の映像が小学生向けにまとめられている。石炭が電気を生み出し、工場を動かし、蒸気機関車の動力源となり、サッカリンなどの薬にもなる国民生活に欠かせないエネルギーであったことを改めて確認した。炭坑の入り口には「出炭救国」の4文字が掲げられていた。
半世紀も前になる炭坑の閉山は、私にとって学校の歴史の教科書で知る「事柄」であった。しかし、かつて炭坑であった「軍艦島」の現在を伝えるテレビ番組などを見て感じたのだが、閉山は炭坑労働者にとって日本の発展を支えてきたという自負の否定であり、生活の全てを炭坑に捧げてきた家族たちの新しい人生の始まりの「ドラマ」である。
「エネルギー革命」という無味無臭な一言で片付けられてきた石炭について、もう少し勉強を深めていきたい。

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