真ん中の子を連れて春日部のイオンシネマで、高橋滋春・ウシロシンジ監督『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』(2014 東宝)を観た。
小さい子ども向けの映画であったが、スターウォーズやドラえもん、ジブリ映画などを上手く取り入れており、30代、40代のお父さんお母さんも楽しめる工夫が凝らされている。また、60年前の昭和30年代にタイムスリップするので、60代以上のお爺さんお婆さんも楽しめるような時代やキャラクター設定がなされている。親子3世代の万人受けを狙ったアニメ映画の「紅白歌合戦」と言っても過言ではないだろう。
それにしても、よく計算されつくしたアニメである。テレビ、ゲーム、音楽、映画などのメディアミックスは元より、戦隊シリーズと似た玩具の販売や、ゆるキャラブームに乗ったキャラクター商品の展開など、日本人の感性も巧みに計算した上での戦略には全くの隙がない。
映画の最後には、1年後の年末映画の宣伝があったが、当分の間、この勢いは衰えないであろう。
「映画」カテゴリーアーカイブ
コメントを残す
『雨上がる』
地上波で放映された、小泉堯史監督、寺尾聡主演『雨上がる』(2000 東宝)を観た。
江戸時代中期、享保の頃が設定となっており、まだ武士が武士らしく、殿が殿らしくあった時代の人情物語である。
寺尾聡演じる剣術の浪人三沢伊兵衛は、お人好しで誰にも親切丁寧、素直な性格の浪人だからこそ、世知辛い世の中では誤解を受けてしまう。しかし、最後は見識ある殿が浪人の恩義に報いようとするところで終わる。日本昔話やイソップ童話にありそうな設定の話で、「二人はそれからというもの幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん」といったハッピーエンドを想像させる終わり方であった。
最後殿が三沢伊兵衛に詫びを伝える場面が唐突に終わってしまった。放送時間枠の関係で打ち切りになってしまったのかと思ったが、どうやら最後の場面は上映段階でカットされてしまったらしい。