読書」カテゴリーアーカイブ

『気象のすべて』

ハレックス監修『気象のすべて』(実業之日本社 2011)を読む。
日本周辺の気象について分かりやすく解説している。気象に興味がなくても,気圧差や温暖差,偏西風などから,台風やゲリラ豪雨,桜前線などの気象の仕組み理解できるようになっている。
単なる参考文献をまとめた雑学本ではなく,実際に気象に携わっている専門集団が執筆を担当しているので,体系的な紹介がなされている。

『告白』

湊かなえ『告白』(双葉社 2008)を読む。
初めて読む本なのに,妙に場面がありありと思い浮かぶなあと思っていたが,このサイトで調べてみたところ,10年ほど前に映画で観た作品であった。但し,映画の内容はおおよそ忘れていたので,初見の作品として楽しめることができた。

『人間万事塞翁が丙午』

第85回直木賞受賞作,青島幸男『人間万事塞翁が丙午』(新潮社 1981)を読む。
著者青島氏の母が営んでいた弁当屋を舞台に,1930年代後半から1949年までの人間模様を描く。直木賞を取っても全く異論の無い作品となっている。空襲や闇市騒動で社会がバタバタしていた中でも,逞しく生きる庶民の生活模様が細かく描かれており,当時の世相を知る意味でも面白かった。

『人体再生』

立花隆『人体再生』(中央公論新社 2000)を手にとってみた。
本論の方は専門用語がたくさん出てきて読みきれなかったが,立花氏の解説が分かりやすくて,何となく全容を理解した気になってしまった。

序章の中で,本人の幹細胞や高分子化合物などを用いて,欠損した組織を自身の細胞の力で再生させる再生医療の最前線について論じている。心臓移植や肝臓移植などの移植医療は一般的だが,一生免疫抑制剤を飲み続けなくてはならず,著者は前世紀の技術であると断じる。

当時最先端であった,ティッシュエンジニアリング(生命工学と医学の組み合わせによる米国の再生医療)に関わっている日本人の研究者たちとの対談集となっている。20年前の本なので,iPS細胞が登場する以前の話である。しかし,当時から山中伸弥教授も在籍した京都大学の再生医科学研究所が日本の研究の中心となっている状況が理解できる。

『abサンゴ』

第148回芥川賞受賞作,黒田夏子『abサンゴ』(文藝春秋 2013)を1ページだけ読む。
芥川賞受賞時に75歳という年齢が注目を浴びた作家である。横書きで書かれた表題作の他,著者が20代の頃に書いた「タミエ3部作」が収録されている。「abサンゴ」は失礼ながら,夏目漱石の『夢十夜』のつまらなさと樋口一葉の『にごりえ』のような違和感を組み合わせたような作品で,全く読む気がしなかった。

1963年に発表された小説「毬」の中に,グリコ・チョコレイト・パイナツプルの遊びが紹介されていたのが目を引いた。私たちの頃と全く同じルールで「へえ〜」と思った。日が落ちて暗くなったり段々距離が開いたりして,お互いの出した手の形が見えなくなり,大声で自分の出したのが何であるか叫び合ってインチキをするというくだりは小学校時代を思い出して面白かった。