『進化を忘れた動物たち』

今泉忠明『進化を忘れた動物たち』(講談社現代新書,1989)をパラパラと読む。
中世代のままの姿を保っているシーラカンスやオオサンショウウオ、コモドオオトカゲなどが紹介されている。新生代以降の大陸移動によって、天敵がいなくなったり、離れ小島で独自の生態系を生き延びたりしたケースが多いようだ。
有名なガラパゴス諸島の海イグアナは、ゾウガメが生きている冷凍肉として大量に海賊船に積み込まれた一方、外見のまずさで人間に食われずに済んだ。また、海イグアナは体温が35~37度であるが、海に長時間潜ることができる。ガラパゴス諸島周辺はフンボルト海流に影響で、海水温は10度足らずである。そのため、日中の多くを甲羅干しで体温を上げる必要がある。海イグアナの祖先は南米の森林に棲んでいた陸イグアナであろうが、南米にいたものは絶滅して、ガラパゴス諸島に流れ着いたものだけが、数千万年かけて独自の進化をしたと考えられている。

他にも、奇妙な進化をした哺乳類として、カモノハシやジャイアントパンダ、ミツユビナマケモノなどが取り上げられている。

『ヒマワリはなぜ東を向くのか』

瀧本敦『ヒマワリはなぜ東を向くのか』(中公新書,1986)をパラパラと読む。
「雨後のタケノコ」という諺があるように、マダケのタケノコで1日に121センチメートル、モウソウチクのタケノコで1日に119センチメートルも伸長した例があるという。特に昼間の伸長は速く、1時間に8〜10センチメートルも伸びることがあるそうだ。本書ではヒマワリの研究を紹介しながら、植物が生きているということが繰り返し語られる。

『超異常気象』

根本順吉『超異常気象:30年の記録から』(中公新書,1994)をパラパラと読む。
著者は戦時中海軍軍属として航空気象業務に従事し、戦後気象庁で長期予報を担当されている。

『子どもの脳が危ない』

福島章『子どもの脳が危ない』(PHP新書,2000)を読む。
著者は東京大学医学部の博士課程を修了し、病跡学の権威として知られ、犯罪者の脳を研究し、犯罪行為と脳の疾患の関係性を研究している。そしていたずらに犯罪と社会病理を結ぶ付けようとする風潮について次のように述べている。

(神戸小学生連続殺傷事件のような)重大で衝撃的な事件が起こると、マスメディアはよく「前代未聞の犯罪」という言葉を使い、「最近の少年犯罪は凶悪化した。昔とは違って、今の少年少女は何をするかわからない。この中学生は、その種のキレる少年の典型だ」というような論評がいっせいにあらわれる。
さらに必ず、社会的な意味での《犯人探し》が始まる。すなわち、このような事件が起こる背景としては、社会が悪い、親のしつけがなっていない、地域の絆が弱くなった、学校や教育が危機的な状況にある、といった指摘がなされ、関心と注目は、事件そのものからしだいに、その背景へと拡散してゆく。
しかし、私は神戸事件の詳細を聞くにしたがって、この異常な事件はけっしてふつうの少年によって起こされたものではなく、特異な資質をもった特異な少年による特異な事件であろうという確信を深めた。

そして、著者はそうした脳の異常を抱えた人たちに対して次のように述べる。

脳に異常のある人の場合には、ストレスに対する耐性が有意に高い確率で低かったり、感情が不安定だったり、適応能力が低かったりすることも事実であるから、そのような「症状」がある場合には科学的に妥当と考えられる合理的な援助や治療を行うことが必要であり親切でもある。

最後に、犯罪につながるような脳の疾患を抑えるために、環境ホルモンやダイオキシンへの注意や暴力的なテレビ番組への規制といった対策を提案している。

『進化とはなんだろうか』

長谷川眞理子『進化とはなんだろうか』(岩波ジュニア新書,1999)を半分ほど読む。
私の一番嫌いな動物の行動生態学に関する内容である。

冒頭から筆者は、生物の進化がダーウィンやラマルクの進化論のように昔の人が考えた世界観ではなく、現代生物学を統合する理論だと断じる。遺伝や自然淘汰、適応、最適化、ゲーム理論など生物学には様々な分野があるが、そうした進化生物学は最先端で流動的あり、中高の教科書にはあまり載っていないが、生物学の全ての分野を統合し、生命の意味について答えを出すことで、私たち自身や生命一般に対する見方も変わってくると結論付ける。