今日は家でゆっくりとくつろいで、本を少し読んだのだが、大変いかがわしい本に出会って休み気分が害された。
村上龍・山岸隆『「超能力」から「能力」へ』(講談社 1995)を読む。
この本によると、「パーフェクトハーモニー研鑽会」なる団体の筆者山岸隆氏はある日突然「特殊エネルギー」なるものが身に付いたというのだ。そしてその「エネルギー」が宿った紫色の両手を駆使することで、コーヒーの味を変えたり、筋肉の弛緩が可能になるというのだ。そしてそのエネルギーが注入されたCDを聞くとストレスから解放されたり、頭の回転が早くなったり、癌が直ったりする優れ物なのだ。まあ、ここまでの話はよくあるタイプのもので、たま出版から発行されている本ならば、軽く読み飛ばせばよい代物である。中身についてここで詳しく述べるのは控える。
しかし講談社という業界一位の出版社が村上龍の名前を冠して、何の注意書きもなしにこの手の本を発行しているということの方が問題であろう。いやはや出版社の良識を疑わざるを得ないだろう。
『「超能力」から「能力」へ』
コメントを残す