本日の東京新聞の夕刊に全盲の静岡県立大学国際学部教授の石川准氏の「障害学の時代へ」と題した文章が載っていた。一口に「障害学」というのは「だれもが自由に、つつがなく、元気に生きていくのに必要なだけの財やサービスが得られるように分配することを優先すべきだと考える。もちろん働ける人には大いに働いてもらわなければならないので、働いて市場で評価された人ほど多くの収入を得てよいと考える」という市場主義経済をあわせ持つ共産主義の発想である。
「身体障害」、「精神障害」の中に含まれる「障害」とは、結局誰にとって一番の障害になのかと突き詰めていくと、結局特定の個人ではなく、市場主義経済の円滑な運営にとって支障になるものなのである。するならば「障害」を解消していこうとするならば、社会のあり方を変えていかねばならないということだ。「障害者問題」は得てして個人の思いやりやボランティア精神という議論に回収されがちであるが、石川氏の提唱する「障害学」の射程はあくまで社会のありようである。
「障害学の時代へ」
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