小倉千加子『女の人生すごろく』(筑摩書房 1990)を読む。
バブル真っ盛りの1990年、著者が大阪成蹊女子短期大学の教員であった頃の女子大生の窮屈な生き方を描く。当時は男女雇用機会均等法などが施行され、女性の総合職などができ、「女性の自立」なるスローガンが叫ばれた時代である。
しかし、女性なるものは、男中心の会社から重圧を受け、「男は仕事、女は家庭」という家庭からの重圧、また、「女はかくあるべし」という男性目線からの圧力に苦しみ、そして、女はおとなしく結婚すべきだという母親からのプレッシャーなど、さまざまなジェンダー差別を受けていると著者は述べる。
全体として、著者は、男も女も、「男らしく」「女らしく」という生き方を小さい頃から強制され、そして大人になってもそうしたマニュアルから逃れられない若者の生き方そのものに疑問を呈する。
『女の人生すごろく』
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