本日の東京新聞朝刊

本日の東京新聞朝刊に、北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」とする長距離弾道ミサイル問題について、アジアプレスの石丸次郎氏のインタビュー記事が掲載されていた。
その中で、石丸氏は北朝鮮自身の問題よりも、それに「悪乗り」しすぎる日本政府の対応と過熱報道を批判している。国内に落下物があればMDで迎撃するため日本海にイージス護衛艦、東北地方に地対空迎撃ミサイルを配備した日本政府に対しては次のように述べる。

ミサイル発射は国連決議に抵触するし、自国上空の通過に抵抗を感じることは理解できる。だが、北朝鮮の挑発的な言動に対する反応はあまりに過剰だ。道を歩いていて交通事故に遭う確率よりはるかに低い(とされる日本に落下する危険性を強調するのは)有効性に疑問のあるMDの宣伝や、選挙を意識した政治的意図があるのでは、と思わざるをえない。

そして過熱報道については次のように批判を展開している。

弱体化が進む北朝鮮軍の実態や、戦争どころではない経済の困窮ぶりを伝えるべきなのに、北朝鮮の脅威をあおるような報道は、国民をミスリードする危険性があり罪深い。
北朝鮮に問題が多いのは事実。大切なのは、その隣国とどう向き合うのかというビジョンだ。安倍政権以来、短命政権が続き、まともな対北朝鮮政策は立てられていない。さらに選挙が近づくと人気取りのために強硬姿勢を装いがち。今回も政府は北朝鮮の脅威をあおってパフォーマンスをしているようにみえる。

石丸氏の批判は正鵠を得ているように思う。反日感情を露わにした金正日がミサイルを発射するという「分かりやすい」危機に対して、「予定通り」日米軍事共同作戦のもとMDシステムが展開されているのが今回の問題である。しかし、これは10年ほど前の日米ガイドラインによる危機管理体制で想定された事態そのままである。不気味なくらい筋書き通りの展開である。石丸氏の指摘するとおり、政権を苦しめるための経済制裁や人的交流こそが求められるべき施策である。

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