『ものの始まり50話』

近藤二郎『ものの始まり50話:文明の源をさぐる』(岩波ジュニア新書 1992)をパラパラと読む。
著者は執筆当時、早稲田大学古代エジプト調査室に勤務しており、現在も早稲田で教鞭を取っている研究者である。その著者がパンやチーズに始まり、貨幣や暦、マンガ、トランペットなど、50の物や仕組みを取り上げ、そのルーツの多くが古代エジプトにあるとする講釈が滔滔と続く。日本や中国で発展したと思われる文物が、実は古代エジプト文明やメソポタミア文明、インダス文明に既に見受けられるのだという一辺倒な切り口なので、最初の3つくらい読んで飽きてしまった。ページを繰りながら、「我田引水」ということわざが忘却の淵から浮かび上がってきた。