チャールズ・R・スコット『スコット親子、日本を駆ける:父と息子の自転車縦断4000キロ』(紀伊國屋書店 2015)を一気に読む。
ニューヨークに在住し、インテルに勤める著者が、8歳の息子のショウと北海道・宗谷岬から鹿児島・佐多岬まで9週間かけて自転車で旅する冒険日記である。大人用のロードバイクと子供用の自転車が連結されたトレーラーサイクルという自転車で、北海道の風吹きすさぶ中や日本アルプスを越えていく苦労が綴られている。
訳出の問題もあるのかもしれないが、父親の著者にいまいち感情移入が出来ず、旅を一緒に楽しむことができなかった。しかし、丸2ヶ月で日本最北端から九州最南端まで観光地や世界遺産を繋ぎながらも自転車で縦断できるルート設定には感心した。白川郷や高野山まで30数キロの荷物を積みながら走り抜ける著者の体力には脱帽だった。