月別アーカイブ: 2024年8月

『池上彰の学べるニュース』

池上彰+「そうだったのか! 池上彰の学べるニュース」スタッフ『池上彰の学べるニュース②』(海竜社,2010)を読む。
番組で取り上げられた郵政民営化、検察審査会、教科書改訂、中高一貫、核兵器削減、北朝鮮の核開発、デノミ、朝鮮半島、ギリシャ財政破綻、アメリカ経済復活の10のテーマが取り上げられている。10年以上前の本であるが、分かった気になっていたニュースが実は分かっていなかったということに気づくことができた。

検察審査会など名前は知っていたが、選挙権のある人から無作為に毎年7,300人も選ばれていることは知らなかった。検察のミスを防ぐためにあるのが検察審査会である。起訴すべきでない人を起訴した場合は、裁判所で無罪判決が下ることでチェック機能を果たす、しかし、起訴すべき人を起訴しない場合に、検察審査会がチェックを果たしているのだ。

原爆と水爆の違いについても理解できた。ウランには核分裂しやすいウラン235と核分裂しにくいウラン238の2種類がある。自然界にあるウランのほとんどは核分裂しにくいウラン238で、ウラン235はわずか0.7%しか存在しない。ウラン238の方が重いので、ウラン鉱石を粉末からガスにして、遠心分離機でぐるぐる回転させると、重いものが外側に、軽いものが中心にいく性質を利用して分離し、ガスから個体に戻してウラン235を作りだす。

原爆はウラン235を利用したものである。ウラン235は23kg以上集めると臨界量に達し、勝手に核分裂連鎖反応が起きて、莫大なエネルギーを放出する。広島型原爆は臨界量を超えるウランを合体させるだけの単純な仕組みである。

一方、長崎に投下された水爆の原料であるプルトニウムはウランよりずっと少ない量で、勝手に核分裂を始める。そのため、広島型のように半分に分けて合体させるのではなく、小分けにしておいて、いっぺんに1カ所に集めて爆発を起こすように設計しなくてはならない。このタイミングが0.1秒でもずれると大きな爆発が起きないのである。
ウラン型の原爆は実験不要であるが、プルトニウム型の水爆は実験が必要となる。現在世界で行われている核実験の多くはプルトニウム型である。

東京都立白鵬高等学校附属中学校の入試問題が掲載されていた。地理の問題でも活用できそうな問題だったので、載せておきたい。

「孔子ブーム 中国で再来」

本日の東京新聞夕刊に、中国で春秋時代の思想家の孔子がブームになっているとの記事が掲載されていた。毛沢東の文化大革命時代には、「批林批孔運動」が展開され、権力志向の強い林彪や台湾国民党に近く、孔子と似た外交を展開する周恩来が批判された。鄧小平政権以降も、孔子は宗教的な色彩を帯びるので、共産主義の考え方に合わないと敬遠されていた存在である。

ところが、記事によると、共産党指導部がこぞって孔子の功績をアピールしているとのこと。単なる観光客目的なのか、中国国内の統合装置として期待されているのか。記事を読んだだけでは分からないが、東アジアの共通の思想でもある儒教を理解するのは、日中韓の紐帯を太くすることに繋がるのではないか。

『インサイド・ヘッド2』

春日部イオンで、ケルシー・マン監督『インサイド・ヘッド2』(2024,米)を観た。
字幕版が上映されていなかったので、吹き替え版を観た。時折日本語の看板やビラが映り、日本の芸能人が吹き替えを担当し、さらにエンディングもSEKAI NO OWARIの曲が流れているので、いったい洋画と邦画の区別はどこにあるのだろうと感じた。

「3Dプリンターで復興住宅」

本日の東京新聞夕刊に、能登半島の復興住宅に3Dプリンターで作られた住宅の建設が始まったとの記事が掲載されていた。ここ数年、3Dプリンターの普及が凄まじく、さまざまな分野で利用されている。材料が書かれていなかったが、小物製作でよく使われるABS樹脂ではなく、コンクリートが利用されているとの情報もある。紫外線を浴びるので、マイクロプラスチックの

「普天間補修217億円 日本負担」

本日の東京新聞朝刊に、「世界一危険な米軍基地」と言われる普天間基地の補修に日本政府が200億円超の負担をしているとの記事が掲載されていた。普天間基地は宜野湾市の住宅街と隣接しており、ちょうど20年前の2004年には、普天間基地を飛び立った米軍ヘリが市内の大学構内に墜落するという事故も発生している。

1996年には日米政府間で返還が決まっているのだが、日本政府が「唯一の解決策」とする名護市の辺野古基地の建設が遅れており、普天間基地の延命・拡充が進んでいる。