月別アーカイブ: 2023年3月

「地域電力 支援が急務」

本日の東京新聞朝刊に、福島第一原発事故をきっかけに広がった再生可能エネルギーによる発電が行き詰まっているとの報道があった。

福島県喜多方市で市民が作った発電会社「会津電力」では、すでに事業化された太陽光や小水力に加え、地元の森林を活用したバイオマス発電や風力発電に乗り出している。しかし、発電所と家庭を結ぶ送電線は大手電力会社に牛耳られており、せっかく作った電力も大手電力会社の火力や原子力が優先され、再生可能エネルギーの中小企業は締め出されているのが現状である。
環境エネルギーに詳しい識者は次のように語る。

原発は廃棄物処理まで含めるとコストは高く、燃料価格の高騰を理由に原発に回帰するのは誤り。送電線への再エネの優先接続の義務化や。、発電会社と送配電会社の切り離しを急ぎ、地域の発電会社を支援することこそ本筋の政策だ。

「党による統制 一層強化」

本日の東京新聞朝刊に、中国の全国人民代表者大会(全人代)の模様が報じられていた。

全人代は1年に1度、10日間ほど開催され、国家主席などの国家の中枢や、首相・外相といった内閣、国の方向性などを決定する中国の最高議決機関とされている。ただし、中国は共産党しか認められていないため、実質は与党の共産党だけで運営される国会である。実態は5年に1度開催される中国共産党大会で決定したことの追認機関にすぎない。

ただし、一応は人民代表者が一堂に会した会議なので、共産党大会よりも明確な方針が提示される。共産主義は「資本や財産をみんなで共有する平等な社会体制」で「生産力が高度に発達して、各人は能力に応じて働き、必要に応じて分配を受けることができる人類史の発展の最終段階」である。その共産国家で管理が強まるというのは、100年前から繰り返されてきた、20世紀最大の疑問である。

『東大生となった君へ』

田坂広志『東大生となった君へ:真のエリートへの道』(光文社新書 2018)をパラパラと読む。
著者本人が東大出身なので東大生向けのタイトルが冠せられているが、就活を意識した大学生向けのビジネス書である。

受験や大学の勉強で培ってきた「集中力」や「持続力」などの基礎的能力と「論理思考力」や「知識修得力」などの「学歴的能力」だけでは、社会で生き残れないと説く。交渉力や営業力、会議力、企画力などの「職業的能力」や非言語コミュニケーションに長けた「対人的能力」、そして「リーダーシップ」や「マネージメント力」だけでなく「人間的な魅力」によって集団を動かしていく「組織的能力」が問われると繰り返し強調する。

「東大」という名前を用いて他の著書に書いた内容を焼き直したものであり、あまり関心のある内容ではなかった。

ホップテロアール

今日はチェコ北西部のジャテツで生産されたホップを利用したビールを飲んでみた。
キリンホールディングの調べによると、チェコはなんと1人あたりのビールの消費量が30年連続世界一となっている。2位のオーストリアの2倍弱であり、日本の5倍以上となっている。

では、なぜチェコなのだろうか。チェコはケッペンの気候区分でいうとDf(亜寒帯湿潤気候)である。ビールに用いられる麦芽は大麦から作られる。麦茶のパックに入っているのも大麦である。そして大麦の生産量第1位はロシア、第2位がドイツとなっており、ちょうどチェコは両国の間に位置する。またチェコは北海道と同じくらいの気温なので、ビールの原料であるホップの生産にちょうど適した気候となっている。

こうした要因からチェコに限らず、ドイツとロシアに挟まれたオーストリアやリトアニア、ルーマニア、ポーランド、エストニアなどがランキング上位に顔を出していると考えられる。

決して高校生にビールを勧めるわけではありません。「飲酒は20歳になってから」です。