本日、通勤用のロード(Jamis QUEST SPORT)のヘッドポストを分解・洗浄した。
先日、ジモティーで購入したクロモリロードであるが、ハンドルが固くて安全運転に支障が出るので、思い切って分解した。
ビバホームで購入したゴム製ハンマーを用いることで簡単に外れ、ディグリーザーで油汚れを落とし、グリスを塗りつけるまでは良かったが、いざ組み立てようとすると順番が分からなくなった。分かったつもりで確認もせずにノリで進めてしまう私の悪い癖だ。たまたまネットで同じタイプのヘッドパーツの順番が記された画像があったので、その通りにつけることで事なきを得た。ハンドルが軽くなって明日からじっくりと通勤で使いこなせそうだ。
月別アーカイブ: 2019年1月
『須藤元気・幸福論』
須藤元気『須藤元気・幸福論』(ネコ・パブリッシング 2005)を読む。
元格闘家で学生レスリング日本代表監督と拓殖大学レスリング部監督を務める著者が、現役中に四国八十八カ所巡礼の旅で書かれた作品である。私自身が自転車で四国八十八カ所を巡ってみたいと思い手にとってみた。20代の青年らしいポエム調の旅日記と敬虔な仏像の写真が妙に噛み合い、中身のない軽薄な文章なのに人生の重みが少し感じられる不思議な作品であった。
僕も一人になって、知らない場所を歩きながら「歩き瞑想」をしてみたかった。
「人生で大切なのは、本を読むこと。人の話を聞くこと。そして、旅をすること」
以前何かの本で読んだこの言葉をふと思い出して、僕は旅に出ることを、それも一人でじっくり自分自身と向き合える旅に出ることを、考え始めた。
「日本、世界の来し方行く末」
本日の東京新聞朝刊に、政治学者姜尚中氏のインタビューが掲載されていた。非常に分かりやすい言葉で米中の動きや朝鮮半島情勢、グローバル化について語る。特に印象に残った点を書き留めておきたい。
―(グローバル化が進み、国家や国民は変わりましたか)
国家は本来、自律性を持ち、国民の福祉や国益のために動いていくものです。
しかし、グローバル経済ではマーケットが自己増殖し、国はそれをハンドリングできません。むしろグローバル経済に合わせて国が動いていく。国家の自律性は低下していきます。グローバルなシステムにどれだけ素早くタイムリーに対応できるか。それが国家に求められるなら即断即決がいいわけです。
民主主義には時間がかかります。熟議してしっかり煮詰めていくのが民主主義だからです。しかし、民主主義にかかる時間や労力や無駄で、専制的な独裁に近いような者が政策決定をした方がグローバル経済の中では適応力を持ち得るという考え方に先進国も傾いてきました。そういう考え方をすると、米英よりも中国の方がいいということになります。上が決めたら、国民は文句を言わずに従う。即断即決でグローバル経済の変化に即応できる。非常に危険な考え方だと思います。―(グローバル化と同時にナショナリズムも台頭しています)
国民国家では国民が主人公です。国民があって国家がある。当たり前のことです。ところが、グローバル化の中でこの関係が逆転すると、みんな右へならえ、国がやろうとしていることに反対して不協和音をつくるなという議論が出てきます。
グローバル化とナショナリズムは必ずしも対立しているわけではありません。対立しながら共鳴し合っている。グローバル化が進むとともに、みんな国に従おうという、ある種のナショナリズムも強くなる。グローバル化と、それに対する逆流現象、つまり、みんなが同じ方向に向かっていくというコンフォーミズム(画一主義)がせめぎ合っています。
「国民の前で公開議論を」
本日の東京新聞朝刊に、経団連の中西宏明会長のエネルギー・原発政策についての発言が掲載されていた。記事の中で、中西氏は日立製作所の会長を務めており、日立の英国への原発輸出計画を通じて、コスト面からの原発への逆風を身をもって感じており、このままでは原発輸出を成長戦略ととらえる安倍政権の政策に沿って海外の原発会社を買収した結果、大損失を被った東芝の「二の舞」になりかねないとの危機感もあるとみられると述べられている。また、日本の原発輸出はトルコやベトナムでも相次いで行き詰っており、コストが急低下している再生可能エネルギーに目を向けるべきだと示唆している。
以下、中西氏の発言である。
(原発の再稼働について)東日本大震災からこの3月11日で8年がたとうとしているが、東日本の原発は再稼働していない。全員が反対するものをエネルギー業者や日立といったベンダーが無理やりつくるということは、民主国家ではない。国民が反対するものをつくるにはどうしたらいいのか。真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。
お客さまが利益を上げられていない商売で利益を上げるのは難しい。一方で、稼働しない原発に巨額の安全対策費がつぎ込まれているが、8年も製品をつくっていない工場に存続のための追加対策を取るという経営者として考えられないことを電力会社はやっている。(日本のエネルギー政策について)日本のエネルギーの80%は依然として(原油・石炭・天然ガスといった)化石燃料に依存しており危機的状況にある。コストは高く世界から非難を浴びている。期待された再生可能エネルギーだが日本には適地が少なく極めて不安定な状況だ。太陽光も風力も季節性がある。次世代送電網のスマートグリッドも新しい投資が行われていない。打破しなければならない問題はたくさんある。だからこそ電力会社を巻き込んださらなる電力改革が必要だ。
政府のエネルギー情勢懇談会では電力会社を巻き込んで今後のエネルギー政策を検討し、討議をしてきた。原発についても議論を重ねてきたが、国民の前で、公開の本格的な議論をする必要がある。
『化学物質過敏症』
石川哲・宮田幹夫『化学物質過敏症:ここまできた診断・治療・予防法』(かもがわ出版 1999)を20分ほどで卒読する。
日本臨床環境医学会の設立に尽力した2人の著者が、アメリカの事例を参考に、化学物質過敏症の症例や原因物質、診断方法、免疫関連疾患、ホルモン・先天異常などについて、素人の読者にも分かりやすく説明している。医者が書いた本であるが、専門用語をなるべく避け、平易な表現で書かれている。
化学物質と一口に言っても、人類がこれまで開発した化学物質は1600万種(人が合成した天然でない化学物質。石炭・石油科学や、天然化学物質を化学的に修飾して変化させたものも含む)にのぼる。毎日2000種類の新しい化学物質が報告され続けているとも言われ、EUでは12万種類の化学物質が日常生活に入ってきているとしている。
人の体は過酷な外部環境に抵抗し、体の内部の環境をいつも一定に保とうと努力している。これをホメオスタージスと呼び、免疫、ホルモン、自律神経の3本柱がお互いに連動することで維持されている。化学物質過敏症はこの3本柱に障害を引き起こし、免疫の異常によるアレルギー、内分泌(ホルモン)の異常からくる子宮膜の異常や精子数の減少など、そして自律神経の異常症状であり、その症例は数え上げるとキリがない。
また、こうした化学物質過敏症は人間だけでなく野生動物にも影響を与えている。貝の雄性の不妊雌化や、ワニやカワウソのペニスの小型化、イルカのアザラシの悪性腫瘍の増加などが報告されている。
化学物質過敏症を突き詰めていくと、化学や医学の範疇に留まらず、生物学や環境学、他にも電磁波や超低周波音の被害など物理学の見地まで必要になっていく。学際的な研究が求められる分野であるという点は理解できた。