昨日の東京新聞朝刊に、渋谷区の美竹公園など施設で寝泊まりする路上生活者の一斉排除の記事が載っていた。
公園で週1回の炊き出しを14年間続けてきた「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合」によると、今月11日の午前6時半頃、突然大量の区職員と私服警官らが美竹公園に押し寄せ、建設工事用のフェンスと「立ち入り禁止」と書かれた黄色いテープで頑丈に公園を封鎖したという。
のじれんの黒岩大助代表は「区からの事前通知や話し合いはなかった。突然、だまし討ちで寝込みを襲うような行為は許せない」とし、「一斉排除は路上生活者の寝場所と食事提供場所を一挙に奪うもの。『あとは勝手に死ね』ということに等しい」と批判している。
支援者の一人は「渋谷では、4月にオープンしたヒカリエ(渋谷駅東口の複合商業施設)に代表される都市再開発や、10月の区制式典など華やかな行事が続く。こうした雰囲気に逆行する存在として、路上生活者を敵視しているのでは」と話す。
こうした記事に触れるたびに、都会の片隅で追いやられる人たちの生きる権利を保障する社会、通勤や通学で忙しい毎日の中で、ふと周囲を見回し困っている人たちに寄り添うような人間を育てなくてはならないと思う。自分のことだけでなく、他人のことも合わせて考えられる、そうした知力の育成を大事にしたい。「大将」の批判の声が元気なうちに。