月別アーカイブ: 2004年9月

『ヴィレッジ』

village_movie

M・ナイト・シャマラン監督映画『ヴィレッジ』(2004 米)を観に行った。
森の怪物に怯えるホラー映画かと期待して観に行ったが、完全な肩透かしを食らうことになった。しかし、映画自体はなかなか深い内容で面白かった。周囲と隔絶された奥深い森の中で、19世紀の古い生活習慣を守りながら犯罪もないアーミッシュのようなユートピアを作ろうとする犯罪被害者の涙ぐましい努力が作品のテーマとなっている。

わずか60人しかいない村の長老たちは、貧富の差のない原始共産社会を目指すのだが、そうしたお金もない社会を維持するためには莫大な費用がかかってしまうといういささか逆説的な命題が提示される。

『ヴォーゲル、日本とアジアを語る』

エズラ・ヴォーゲル、橋爪大三郎『ヴォーゲル、日本とアジアを語る』(平凡社新書 2001)を読む。
『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を書いた元ハーバードの教授であるエズラ氏が、中国と日本を中心にアジア特有の政治形態、教育制度を橋爪氏に語る対談となっている。米国では1920年代に、攻撃や占領のための戦略として日本の言語や習慣の研究が始まったのに、日本では正反対に、日本を研究している米国人はすべて「親日家」「知日派」とレッテルを貼ってしまう。このギャップを変えていくことはなかなか難しいことだろう。