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『日本語八ツ当り』

この間忙しくて、このページの更新が滞ってしまった。しかし本当にばたばたしている。1学期が終わるまではこのままの状況が続くのだろうか。

江國滋『日本語八ツ当り』(新潮文庫 1993)を読む。
「あたしって○○なヒトなのね」と自己を変に客観化する言葉や、「としている」という表現の乱用や、法律解釈における「又は」と「若しくは」の規定の煩雑さを取り上げ、日本語の悪しき流行を探ろうとしている。
この中で、サ変動詞に関する項目が興味深かった。「オバさんする」「主婦する」「風流する」などの用法について、著者は「ただの無法者もしくは与太者にすぎない。もっと正確にいえば、ことばのチンピラである」と述べる。サ変動詞というのは便利な用法で、何でも名詞を動詞化してしまう。例えば、「告白をする」という語が「告白する」と動詞化され、さらに「コクる」と省略化された語さえ若者の間で使われている。「事故をおこす」が「事故る」となったように。(私はインプッドメソッドにEGBRIDGEを用いているが、「事故る」は既に変換辞書に登録されていて一発で変換された)
私自身、最近携帯電話のauのCM文句にある「メーる」という語法が気になっていた。おそらくは「メールを出す」が「メールする」と動詞化され、さらに「メーる」と簡略化されたのであろうが、これは言葉の変化の延長線上にあり、将来日常的に使われる可能性は十分にある。