地理」カテゴリーアーカイブ

端境期

本日の中間考査でホイットルセーの農業区分に関する問題を出題した。その区分の1つに企業的畑作農業がある。広大な農地を大型機械を利用して大量に生産する地域である。北半球と南半球の季節差を利用し、収穫ができず作物が出回らない端境期に輸出をしている。

以下は、ちょっと古い統計データだが、夏から秋にかけては北海道産のかぼちゃが東京卸売市場に大量に入荷される。しかし、それ以外の季節は熱帯地域を含むメキシコや南半球のニュージーランド産が大半を占める。かぼちゃは皮が厚いので保存が効きそうだが、水分を含むので保存期間は1週間である。そのため季節に左右される商品となっており、冬から春にかけて私たちが口にするカボチャのほとんどが外国産となる。

こうした端境期を利用した野菜は、他にエクアドルのブロッコリーやペルーのアスパラガス、チリのさくらんぼなどが代表的である。スーパーで購入する際には生産地を確認しておきたい。

「神様も自撮り」

本日の東京新聞夕刊に、インド・ニューデリーで開催されたヒンズー教の祭りの一コマが紹介されていた。ヒンズー教はインドで8億人が信仰する宗教である。ヒンズー教はキリスト教のイエスキリストや仏教のお釈迦さまのように特定の開祖を持たない民間信仰である。また多神教であり、人間の生活全般を規定する制度や法制、習俗など、日本でいうところの朱子学(儒教)に近い。

写真を見てもわかるように、日本の七福神(大黒天〈だいこくてん〉、毘沙門天〈びしゃもんてん〉、恵比寿天〈えびすてん〉、寿老人〈じゅろうじん〉、福禄寿〈ふくろくじゅ〉、弁財天〈べんざいてん〉、布袋尊〈ほていそん〉)に極めて似ている。実は七福神はヒンズー教の神が仏教に帰依して神様になったという設定なのだ。まさに元祖カレーライスのような存在なのである。皆さんの中にも、鎌倉への修学旅行で銭洗弁財天に行ったことがある人もいるかもしれない。ヒンズー教と仏教の双方の寛容な姿勢が垣間見えてくる。

 

Twitter投稿より。インドの総人口の8割を占めるヒンドゥー教の理解の一助である。インドはベジタリアンが多いので動物性タンパク質を補うために、1970年代から生乳の生産量・消費量が拡大し、現在ではインドの牛の飼育頭数はブラジルに次いで多く、1億8900万頭もいる。そのため、牛乳の生産量はアメリカ合衆国に次いで世界2位、そしてバターの生産量は世界最大となっていり。また、インドでは、水牛からも搾乳をする。インドの水牛の飼育頭数は1億940万頭。これは世界最大で、水牛は搾乳できなくなると、食肉として解体される。

また、ヒンドゥー教徒が人口の8割を数えるが、イスラム教徒は人口の14%を占めている。インドネシアに次ぐ世界第2位の1億8000万人のイスラム教徒を抱えている。キリスト教徒を含め、2億人以上が牛肉を日常的に食べている。ブラジルの人口とほぼ同じであり、インドの牛肉市場は極めて規模が大きいということは、共通テストで狙われるところである。

「大雨土砂崩れ 盛り土起点か」

本日の東京新聞夕刊に、昨夜の台風15号による大雨被害で、静岡県浜松市で発生した大規模な土砂崩れの模様が報じられていた。2014年の8.20広島県土砂災害以降、大規模な土砂災害をもたらす「線状降水帯」が注目されている。

山がちな日本では、ある程度防ぎようのない災害である。幸い、2013年以降、確度の高い大雨特別警報が発令されるようになり、ハザードマップを頼りに安全な避難場所へ移動することができるようになった。