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米大統領ようやく「白人主義」非難

本日の東京新聞朝刊に、米南部バージニア州で白人至上主義を掲げる団体と反対派が衝突した事件で14日、ホワイトハウスで声明が読み上げられ、現場で集会を開いていた白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クラン(KKK)やネオナチを名指して非難したとの記事が掲載されていた。発生当初、トランプ氏は人種差別主義者を明確に批判しなかったことで、経済界からも抗議の声が出ていた。野党民主党も「白人至上主義の犯罪を非難するのに2日もかけるべきではない」と対応の遅さを批判している。

衝突事件そのものは、バージニア州シャーロッツビル市街地で、南北戦争(1861~65年)で奴隷制の存続を主張したとされる南軍司令官の記念像を撤去するシャーロッツビル市の計画に対する抗議などが目的で集まった右翼活動家らがデモを展開し、人種差別に反対する人らとの間で殴り合ったり物を投げ合ったというものである。州政府は「市民生活の混乱や人々への危害、公私に及ぶ財産的破壊が差し迫った」として非常事態宣言をしている。

そもそも、トランプ氏の対応よりも、奴隷制を主張した人物の記念像が今まで安置されていたことの方が驚きである。トランプ氏個人よりも、ここ数十年歴史と向き合って来なかった米国社会の罪の方が重いのではないか。AP通信は報じたところによると、シャーロッツビル市議会は四月に記念碑の撤去を決めたが、この決定について裁判所が一時差し止めを命じていたそうだ。

今、wikipedia英語版で「Robert E.Lee」や「Robert Edward Lee Sculpture」のページをザッと読んだところ、記念像の彼は大変有能で、日本で言うところの乃木希典や山本五十六、西郷隆盛のような評価が与えられている人物と想像される。そうした功罪両面ある人物の像というと撤去の可否の判断は一概には言えないかもしれない。

「北」巡り「貿易」カード

本日の東京新聞朝刊に、トランプ米大統領が14日、他国への制裁を発動できる通商法301条に基づき、中国による米企業の知的財産侵害を調査するよう米通商代表部に指示する大統領令に署名したとの記事が載っていた。中国との貿易不均衡を見直す公約実現に加え、北朝鮮の核・ミサイル開発の阻止に向けた中国の対応を促す狙いがあるとのこと。

これに対し、中国商務省の報道官は15日、「米通商法301条は一方的措置の色彩が濃く、他国は一貫して反対している」「米国は多国間ルールの破壊者となるべきではない」と、自由貿易推進のために世界貿易機関(WTO)が定めた規則を守れとの談話を発表している。

この通商法301条は他国との調整を無視し、軍事的圧力を背景に米国が一方的に推し進める施作である。実際に制裁が発動された場合、当該国の周辺を米軍がウロつくのである。もしくは当該国と敵対関係にある近隣諸国との合同軍事演習が展開される可能性が高い。日本が横柄な米国彼氏に対して、「都合の良い女」を演じてきた歴史を見るべきである。中国と対立関係の懸念がある日本や台湾、チベット、中央アジアと米国との関係に注目していきたい。

米通商法301条
1974年に制定された米通商法の他国による「不公正な貿易慣行」への報復措置を定めた条項。米通商代表部(USTR)が調査し、不当な輸出補助金やダンピング(不当廉売)などに当たると判断した場合、相手国との是正措置を協議する。解決しなければ一方的に高関税や輸入制限などの措置を講じることができる。
80年代の日米貿易摩擦で日本から譲歩を引き出すために多用された。(時事)

トルコ料理店襲撃18人死亡

本日の東京新聞朝刊に、西アフリカ・ブルキナファソの首都ワガドゥグで13日夜、武装集団がトルコ料理店のレストランを襲撃し、18人が死亡したとの記事が掲載されていた。
政府高官は国際テロ組織アルカイダ系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQMI)」による犯行の可能性を述べている。ブルキナファソと国境を接するマリ(首都バマコ)やニジェール(首都ニアメ)ではAQMIなどイスラム過激派が活動し、治安が悪化している。

3カ国とも1960年(アフリカの年)にフランスから独立した国家である。またサヘル地域に位置し、砂漠化が進行し、水資源と土壌の問題が大きくなり、農業も衰退傾向にある。砂漠化の原因は様々だが、温室効果ガス排出などの先進国の人為的側面が強いと言われる。私たち日本人も遠い国の遠い出来事で済ますことはできない。

イスラム教は砂漠の宗教だとも言われるが、欧米の工業化が原因ともされるサハラ砂漠の拡大により、周辺国でイスラム原理主義が跋扈するというのも皮肉な話である。

エジプトのユダヤ人 120000人→9人

本日の東京新聞夕刊に、エジプトのユダヤ人が第1次中東戦争(1948年)前後の12万人から、イスラエル建国などを経て、現在では高齢者を中心に9人を数えるのみになったという記事が掲載されていた。背景には、エジプトは4度にわたり「ユダヤ人の祖国」イスラエルと戦火を交え、反ユダヤ感情が高まっていった経緯がある。カイロ中心部にあるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)は3年前、近くに爆発物が置かれて以来、物々しい鉄柵と自動小銃を持つ警察官に囲まれるようになった。一方、カイロ市内に12ヶ所残るシナゴーグだが、祭祀を行うラビ(指導者)は不在で、その保存が危ぶまれている。

代表のマグダ・ハルーンさんは「ユダヤ教徒とシオニスト(ユダヤ民族主義者)は違う。私はユダヤ教徒であり、エジプト人。ここで生まれ、ここで死ぬ権利がある」と語る。

イスラム教徒の全員がイスラム原理主義に賛同するわけではないと同じように、ユダヤ教徒の全員がイスラエル建国主義者(シオニスト)ではないということに留意する必要がある。

ユダヤ人
紀元前2000年ごろからパレスチナ地方(地中海南東岸のシリアとエジプトの間の地域)に定着し、ユダヤ教を発展させた民族。迫害を受けて世界各地に離散したため、現在では宗教的な影響が強い。イスラエルが定めた帰還法では「ユダヤ人の母親から生まれた人、またはユダヤ教に改宗した人」をユダヤ人と定義している。世界のユダヤ人人口は約1430万人(2015年)。

流鏑馬 カザフで披露

本日の東京新聞夕刊に、中央アジアで初めてカザフスタンの首都アスタナで流鏑馬が披露されたとの記事があった。日本とカザフの外交関係樹立25年を記念し、ナザルバエフ大統領(なんと任期27年目を迎える)の前で、武田流流鏑馬を披露したとのこと。

カザフスタンは世界9番目の面積があり、地下鉱物資源に恵まれ、意外に日本とも交流が深い国である。ステップ気候であるが、チェルノーゼム(肥沃土)地帯に重なっており、世界有数の小麦の生産国となっている。遊牧民族の血を引いているからか、首都アスタナの名を冠した、国際自転車競技連合 (UCI) の主催するUCIプロツアーに参加する自転車ロードレースのプロツアーチームがある。

日本だけでなく、ロシアとも中国、米国、EUとも良好な関係を維持している穏やかな国である。北半球のオーストラリアか?