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「読書離れ」

本日の東京新聞夕刊で、阿刀田高が、スマホなどのIT機器の普及で活字離れが一層酷くなったと嘆いている。作家ならではの読書を通じた知的活動の意義だけでなく、「活字業界」そのもの衰退に警鐘を鳴らしている。

 たとえば…スマホでも読書はできる。しかし、これで今までのような読書をする人は少ないし、情報を簡単に、広く、安く入手できることは確かであるけれど(その価値はけっして小さくないけれど)古い読書は、苦労して情報を手に入れるぶんだけ優れた情報への敬意を生み、それを示してくれた人への尊敬も培われる。読書にはこの効能が思いのほか大切なのだ。

ニュース情報も簡単に手に入り、これは時には命を賭けてまでその情報をつかみ報道してくれたジャーナリストへの思慕をないがしろにしてしまう。新聞は売れなくなり、新聞社は優秀なジャーナリストを育てられなくなる。今、日本ではフリーのジャーナリストがいろいろなところでよい仕事をしているが、彼のほとんどが新聞社で修行した人なのだ。新聞の衰退はよきジャーナリストを失う可能性を高くするだろう。

出版界も同様で、これまでは優れた出版社が卓越した編集者を作り、それが世界に冠たる良書の普及を支えてきたのだ。IT機器の普及はよき編集者の誕生を弱体化させ、古典はともかく新しい良書を市場に送りにくくするだろう。しかし私たちは否応なしにそんな曲がり角に立たされているのだ。

「地上型イージス導入へ」

本日の東京新聞夕刊に、防衛省が海上自衛隊のイージス艦搭載の迎撃ミサイルを地上配備する「イージス・アショア」の導入を決め、2018年度予算の概算要求に設計費を盛り込むとの記事が載っていた。当初は導入に向けた調査費を計上する方針だったが、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射に対処するために前倒しした。

記事だけを読むと、調査をすっ飛ばして導入が決定されたと読み取れるが、あまりにご都合主義ではなかろうか。そもそも日本近海に配備されている迎撃ミサイルの対応能力すら試されないままに、防衛能力の向上が不可欠との判断で、地上にも導入するというのは如何なものだろうか。省内でも「北朝鮮の脅威」に誰も反対できない雰囲気のまま押し通されたのだろうか。それともトランプの圧力?

また、今回の概算要求には、自衛隊初の宇宙部隊の創設が盛り込まれている。日米が全世界を監視する体制構築を目指すために、日米が使用する人工衛星を対衛星兵器などから守る部隊を作るというのだ。しかし、成層圏の遥か先に浮かぶ衛星を守ることが「自衛」隊の管轄領域なのだろうか。2015年に策定された「日米防衛協力のための指針」には、「自衛隊及び米軍は、日本の上空及び周辺空域を防衛するため、共同作戦を実施する」との定めはあるが、宇宙は想定の範囲外である。また、「日米両政府は、適切な場合に、通信電子能力の効果的な活用を確保するため、相互に支援する」ともあるが、衛星の防衛がこれに該当するのであろうか。宇宙に浮かぶものは全て通信能力を備えており、さらに国境もないため、宇宙そのものを米国が支配し、日本がそれにスネ夫のように追従する形になるのか。
テレビで「核の脅威」が盛んに煽られるが、その一方でひっそりと行われる政治に注意を払いたい。

米大統領ようやく「白人主義」非難

本日の東京新聞朝刊に、米南部バージニア州で白人至上主義を掲げる団体と反対派が衝突した事件で14日、ホワイトハウスで声明が読み上げられ、現場で集会を開いていた白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クラン(KKK)やネオナチを名指して非難したとの記事が掲載されていた。発生当初、トランプ氏は人種差別主義者を明確に批判しなかったことで、経済界からも抗議の声が出ていた。野党民主党も「白人至上主義の犯罪を非難するのに2日もかけるべきではない」と対応の遅さを批判している。

衝突事件そのものは、バージニア州シャーロッツビル市街地で、南北戦争(1861~65年)で奴隷制の存続を主張したとされる南軍司令官の記念像を撤去するシャーロッツビル市の計画に対する抗議などが目的で集まった右翼活動家らがデモを展開し、人種差別に反対する人らとの間で殴り合ったり物を投げ合ったというものである。州政府は「市民生活の混乱や人々への危害、公私に及ぶ財産的破壊が差し迫った」として非常事態宣言をしている。

そもそも、トランプ氏の対応よりも、奴隷制を主張した人物の記念像が今まで安置されていたことの方が驚きである。トランプ氏個人よりも、ここ数十年歴史と向き合って来なかった米国社会の罪の方が重いのではないか。AP通信は報じたところによると、シャーロッツビル市議会は四月に記念碑の撤去を決めたが、この決定について裁判所が一時差し止めを命じていたそうだ。

今、wikipedia英語版で「Robert E.Lee」や「Robert Edward Lee Sculpture」のページをザッと読んだところ、記念像の彼は大変有能で、日本で言うところの乃木希典や山本五十六、西郷隆盛のような評価が与えられている人物と想像される。そうした功罪両面ある人物の像というと撤去の可否の判断は一概には言えないかもしれない。

「北」巡り「貿易」カード

本日の東京新聞朝刊に、トランプ米大統領が14日、他国への制裁を発動できる通商法301条に基づき、中国による米企業の知的財産侵害を調査するよう米通商代表部に指示する大統領令に署名したとの記事が載っていた。中国との貿易不均衡を見直す公約実現に加え、北朝鮮の核・ミサイル開発の阻止に向けた中国の対応を促す狙いがあるとのこと。

これに対し、中国商務省の報道官は15日、「米通商法301条は一方的措置の色彩が濃く、他国は一貫して反対している」「米国は多国間ルールの破壊者となるべきではない」と、自由貿易推進のために世界貿易機関(WTO)が定めた規則を守れとの談話を発表している。

この通商法301条は他国との調整を無視し、軍事的圧力を背景に米国が一方的に推し進める施作である。実際に制裁が発動された場合、当該国の周辺を米軍がウロつくのである。もしくは当該国と敵対関係にある近隣諸国との合同軍事演習が展開される可能性が高い。日本が横柄な米国彼氏に対して、「都合の良い女」を演じてきた歴史を見るべきである。中国と対立関係の懸念がある日本や台湾、チベット、中央アジアと米国との関係に注目していきたい。

米通商法301条
1974年に制定された米通商法の他国による「不公正な貿易慣行」への報復措置を定めた条項。米通商代表部(USTR)が調査し、不当な輸出補助金やダンピング(不当廉売)などに当たると判断した場合、相手国との是正措置を協議する。解決しなければ一方的に高関税や輸入制限などの措置を講じることができる。
80年代の日米貿易摩擦で日本から譲歩を引き出すために多用された。(時事)

トルコ料理店襲撃18人死亡

本日の東京新聞朝刊に、西アフリカ・ブルキナファソの首都ワガドゥグで13日夜、武装集団がトルコ料理店のレストランを襲撃し、18人が死亡したとの記事が掲載されていた。
政府高官は国際テロ組織アルカイダ系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQMI)」による犯行の可能性を述べている。ブルキナファソと国境を接するマリ(首都バマコ)やニジェール(首都ニアメ)ではAQMIなどイスラム過激派が活動し、治安が悪化している。

3カ国とも1960年(アフリカの年)にフランスから独立した国家である。またサヘル地域に位置し、砂漠化が進行し、水資源と土壌の問題が大きくなり、農業も衰退傾向にある。砂漠化の原因は様々だが、温室効果ガス排出などの先進国の人為的側面が強いと言われる。私たち日本人も遠い国の遠い出来事で済ますことはできない。

イスラム教は砂漠の宗教だとも言われるが、欧米の工業化が原因ともされるサハラ砂漠の拡大により、周辺国でイスラム原理主義が跋扈するというのも皮肉な話である。