本日の東京新聞夕刊に、トランプ米大統領が17日、南北戦争で奴隷制継続を主張した南軍兵士らの記念像などを撤去する動きが各地で広がっている現状について、ツイッターに「偉大なわが国の歴史と文化が引き裂かれるのは悲しい」と書き込んだとの記事が載っていた。
トランプ氏は投稿で「歴史は変えられないが、そこから学ぶことはできる」と主張し、南軍司令官ロバート・リー将軍などの記念像撤去を例示しつつ、「次は誰か。ワシントンか。本当に馬鹿げている」と批判し、「都市や街、公園からこうした美観が取り除かれれば、大変寂しいし、二度と元に戻せないだろう」と述べている。
確かに、トランプ氏が「歴史から学ぶことができる」というのは正しい。アウシュビッツの強制収容所や原爆ドームなどの「負の文化遺産」は、人類が犯した悲惨な出来事を伝え、そうした悲劇を二度と起こさないための戒めとすることに意味がある。しかし、それは戦争や人種差別が政府見解によって正式に否定され、国民の歴史教育の中でも公式に否定されていることが大前提である。政府や歴史教育において、その評価を曖昧にしたまま負の遺産を残すことは、百害あって一利なしだと考える。