私が資料の中で面白いと思ったのは、アメリカで増えているチャータースクール、つまり「手作りの公立学校」の話である。現場の教師、保護者や地域住民が地元の教育委員会に認可を申請し、公立学校にふさわしいかどうか審議され、実際に入学してきた生徒の数に応じて、公的資金が配分されるという仕組みである。
日本全国の多くの塾や学校がこの制度を導入し、独自の教育観で学校を運営するならば、今の日本の教育の停滞も多少は解消できるだろう。なぜならば、今特に若い教師は既存の様々な仕事をいかにして「おとがめなしに」減らしていくかということに終始し、新たな提案や創造的な取り組みを行う余裕を奪われている。このチャータースクールでもう一度現場から発言していく環境を創っていくことが、一番の教育に情熱を取り戻す好機となるはずである。図書館司書教諭もまずはその土台である学校内の環境作りに目を向けていかねばならない。
参考文献
高嶋哲夫・小篠弘志(2000)「日本版チャータースクールの試みに物申す」『塾を学校に』東京:宝島社