本日の東京新聞朝刊に、イラン・テヘランで「ヒジャブ」の着用を巡って警察に拘束された女性が死亡した事件の続報が掲載されていた。イスラム教では地域や気候によって大きく異にするが、戒律によって女性は髪や身体を隠すように決められている。
この記事の背景には2つの問題が指摘される。1つは死亡したマフサ・アミニさんがクルド人だということだ。クルド人は一般的に「国を持たない最大の民族」と呼ばれ、トルコ、シリア、イラク、イランにまたがって生活している。イランの人口8400万人の中で、クルド人は600〜800万人程度であり、人口の1割近くを占めている。また、言語はイラン語に近いクルド語で、宗教はイスラム教・スンニ派が多い。記事を読む限りでは言語も宗教も触れられていないが、意思疎通がうまくいかなかったことが推測される。
2つ目はバイデン大統領の発言である。1979年のイラン革命後、米国とイランは敵対関係にある。米国に対抗するため、イランは核開発を含めた防衛力強化に乗り出す、他方で米国はイランに対し、周辺のサウジやカタール、UAEなどの親米国と協力して経済封鎖を行うなどの悪循環が続いている。そうした中で民主党のバイデン大統領は表現の自由や民主主義を守るというお題目で反政府活動を支援している。