本日の東京新聞夕刊に、市区町村が共同で民間データセンターに住民の個人情報を預ける「自治体クラウド」を全自治体で導入する方針を政府が固めたとの記事が掲載されていた。近隣の市区町村がグループを作り、各庁舎と民間のデータセンターを専用回線でつなぎ、住民基本台帳や納税などの情報を一括管理する仕組みで、自然災害によって庁舎が被災するなどした場合もデータ喪失が避けられるという。
情報流出に対する懸念から、民間に委託する点を問題視する声もあろうが、国が主導し全自治体で導入することで経費の点では大きくアドバンテージが出てくるだろうと思われる。「個人情報保護」という錦の御旗から、やたら個人情報にガードをかけすぎて、庁舎内での適切な情報共有すら行われず、業務に無駄が生じているのが現状である。情報共有、迅速な行政対応という観点からも、自治体個別に情報管理部門を置くという考えは改めるべきである。
自治体クラウド
複数の自治体が共同で住民に関する情報を外部の民間データセンターに託し、専用ネットワークで一元的に管理するシステム。2016年6月に閣議決定された「日本再興戦略」の中で導入の加速が明記された。データセンターは、耐震・免震構造の建物で、厳重な入退館管理態勢を敷くなど安全面に配慮している。一般に高度なセキュリティー対策が施され、サイバー攻撃に強いとされる。自治体は削減された費用や人材を他分野で有効活用できるとの指摘がある。自治体が個別に導入する場合は「単独クラウド」と呼んで区別している。