地上波で放映された、第61回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞受賞作、ローラン・カンテ監督・脚本『パリ20区、僕たちのクラス』(2008 仏)を観た。
パリの下町の中学校で、フランス語を教える青年教師と国籍も人種も様々な生徒たちとの丁々発止のやり取りがドキュメンタリータッチで描かれる。
フランスの学校というと自由や哲学といったイメージが強いが、生徒の生活態度を質す三者面談や規律を重んじるための懲罰会議など、日本の中学校と変わらない学校の姿が映し出される。主役のマロン先生の、生徒の気持ちを斟酌したいと思いと、学校全体のルールを重んじなければならない立場の葛藤がテーマとなっている。またその背景となるフランスの排外主義や移民の問題にも触れられている。
日本の中学高校の先生が観ると、日本もフランスも文化の違いこそあれ、教育に対する悩みは万国共通なのだという思いを抱くであろう。
『パリ20区、僕たちのクラス』
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