パンフレット研究:東京歯科大学

東京歯科大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
1890年に設立された高山歯科医学院が母体となっている伝統校である。1907年に東京歯科医学専門学校、1946年に我が国初の歯科大学となり、1958年には単科歯科大学初の大学院を設置している。一時期付属病院のある千葉市稲毛区に拠点移していたが、2012年度より水道橋に戻り、2013年7月にはドデカいオフィスビルのような水道橋新校舎が完成している。また、校歌は北原白秋作詞、山田耕筰作曲の威風堂々としたものであり、創立者の血脇守之助は野口清作(後の野口英世博士)を住居から就職まで面倒をみて米国留学の渡航費用も工面したそうだ。歴史を語るには事欠かない。

偏差値も私立大学歯学部トップであり、「私たちは、日本の歯学界をリードするスーパーデンティストを育成します。」という宣伝文句を掲げている。歯髄の幹細胞や口腔粘膜の免疫機能の研究や、慶応大学との連携による口腔がんの診断・治療など、歯科医養成大学の範疇越えて、国立大学並の教育を行っている。国家試験合格率は全国29歯科大学・学部中、13年連続No.1であり、研究体制だけでなく、国家試験対策のWebシステムやきめ細かい面談など盤石のバックアップ体制を敷いている。

おそらくは東京医科歯科大学などの国立大学に落ちた受験生の受け皿となっているのであろう。受験倍率も他の私大歯学部とは雲泥の差で、全国47都道府県全県から受験生が集まり、3倍〜9倍もの倍率を出している。3000万円を越える学費を払える家庭は限られるであろうが、東京のど真ん中で学ぶ環境は素晴らしい。しかし、総合病院を含め3つも経営しているのだから、法人全体で学費の減額を検討してもよいのではないだろうか。昭和大学歯学部は付属病院の利益を回すことで、2013年度より500万円近くの学費値下げを実現している。

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