日別アーカイブ: 2025年4月20日
『大人のための自転車入門』
丹羽隆志・中村博司『大人のための自転車入門』(日本経済出版社,2005)を読む。
タイトルにも大人のためとあるので、中高年の自転車入門者向けに、自転車と健康についての講義の後に、自転車の乗り方や整備の仕方が分かりやすくまとめられている。
特に自転車は膝への負担が少ない運動である。膝の専門家によると、老化や使いすぎで筋肉が弱っているときに、過大な負担をかけて、膝を痛めることが多いという。膝の負担が特に少ない乗り方は、できるだけ軽いギアを使い、サドルを後方にずらして後方よりペダルを前に押し出すような踏み方をするとよい。ビンディングを用いる場合は、深めな設定がよいとのこと。
また、冬になると風邪をひく人が多くなるが、風邪の原因のウイルスの一つにライノウイルスがある。このウイルスは、喉の粘膜に感染し、34度前後の温度で増殖しやすい。
東北大学の永富教授によると、室温20度の部屋で20分間の運動をし、汗をふかず、喉元に何もあてない状態で、「喉とその奥」の温度を測ったところ、10人の平均で約33度まで下がり、元の体温に戻るまで20分以上かかったとのこと。
つまり、運動が終わった後、のどが特に冷えやすいのである。汗を服のはもちろん、喉元をしっかりと温めて、温度と湿度を保っておくことが大事である。だからこそ、冬のサイクリングではフリースとマスクの着用が望ましい。特に手足が冷えやすいので、シューズカバーなども有効である。また、手足は締め付けると血行が悪くなって冷えやすくなるので、注意が必要だ。