第31回講談社エッセイ賞受賞作,ジェーン・スー『貴様いつまで女子でいるんだ問題』(幻冬舎文庫 2016)を読む。
2014年に刊行された本の文庫化である。
広く言えば「女子」の生きづらさについて体験を交えて語る。か弱い存在で周囲から大切にされるという「女子」の価値が,加齢や社会環境によって否定されることへの分析が大変に細かい。ちょうど同じ年齢の著者だったので,大変興味深く拝読した。
月別アーカイブ: 2019年9月
『ビブリア古書堂の事件手帖2 』
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖2:栞子さんと謎めく日常』(メディアワークス文庫 2011)を読む。
ほのかな恋愛シーンが微笑ましかった。
多分に表紙の栞子さんのかわいい絵が小説に大きく影響している。
『天気の子』
『金沢殺人事件』
内田康夫『金沢殺人事件』(講談社文庫 2007)を読む。
本日の午前中は,5年ぶりの人間ドックだった。検査の合間の暇つぶしに持参したのだが,病院で全て読み終えてしまった.
1993年刊行の文庫の再刊で,箱モノだけが立派になった「ふるさと創生事業」などの懐かしい単語が登場する。著者も述べているように,粗製濫造期の作品で,後から話が付け足されており,興ざめな内容であった。
『シューカツ!』
石田衣良『シューカツ!』(文藝春秋 2008)を読む。
90年代後半から00年代前半の就職氷河期が終わりを告げ,リーマンショック前の好調であった就職戦線を舞台に,大学生の就活と青春を描く。
高田馬場にあるW大学に在籍する7人の学生がテレビ局や出版社を受験する中で成長していく”ビルドゥングスロマン”となっている。
最初はつまらなくて読むのを止めようと思ったが,ついつい主人公に肩入れしながら最後まで一気に読み進めた。最後のページまで結論が分からず,著者の筆力に脱帽である。
途中,主人公の千晴と同じW大学出身で,就職氷河期に卒業したバイト先の同僚が登場する。非正規の立場に自己否定と嫌悪感と顕にする同僚の姿が印象に残った。