月別アーカイブ: 2017年2月

大平山サイクリング

来月早々に控えているブルベに向けたトレーニングのつもりで栃木県の大平山に出かけた。
幸い寒波も緩み、気持ちよくスタートすることができた。


国道4号幸手付近。バイパスを通らずに商店街の中を抜けていった。

 
栗橋付近の旧4号の様子。寂れた地方都市のような面持ち。昔懐かしいコンビニエンスストア。


古くから営業しているという、国道50号沿いの喫茶店

 
途中旧岩舟町内をぐるっと遠回りしたが、10数年前に2、3度訪れただけの土地勘を頼りに登山口まで辿り着いた。

 
途中3、4回ほど歩いてしまったが、何とか最後まで完走することができた。風も強くはなく、気候もちょうどサイクリング日和だったと言えよう。途中道に迷ったので往復120キロくらいであろうか。少し自信につながった。
家に帰ってソファに寝そべっていたら、ふくらはぎが攣ってびっくりした。

『廃市・飛ぶ男』

福永武彦『廃市・飛ぶ男』(新潮文庫 1971)を手に取った。
8編の中短編が収められている。その内の『廃市』だけを読んだ。
学生時代に読んだのだが、全く内容は忘れていた。
恋愛ドラマそのものはあまり面白くなかった。しかし、夏の日射しの強い日に、汽車に乗って、時代から取り残された水路の街に足を踏み入れるという設定そのものが興味深かった。

『サクリファイス』

近藤史恵『サクリファイス』(新潮社 2007)を読む。
ここ最近寒くてロードバイクに乗れていないので、せめて小説だけでもと思い手に取ってみた。
自転車ロードレースで、エースの前を走って風除けになったり、ドリンクボトルや補給食を運んだりするアシスト役に焦点を当てた小説である。他のスポーツでは見られない役回りを担うアシスト
伏線がいくつか張ってあって、最後まで読者を飽きさせることはないのだが、

『犬たちの隠された生活』

エリザベス・マーシャル・トーマス『犬たちの隠された生活』(草思社 1995)を数ページだけ読む。
犬に意識があるのかという疑問に迫っていくのだが、生物学の見地からではなく、人類学の見地から経験則による分析が続き、つまらなそうなので、続きを読むのをやめた。

『男たちは北へ』

風間一輝『男たちは北へ』(ハヤカワ文庫 1995)を読む。
1989年に単行本として刊行された本の文庫化である。
作者の実体験に基づく話であり、荒削りではあるが、一緒に旅をしている気分を味わった。
物語は、東京から青森までの自転車旅にチャレンジする44歳の中年男性が、国道16号沿いで国家を揺るがす一大クーデターの計画書を拾ったことから始まる。自転車で越えるリアルな激坂の模様や、
自衛隊
少年の成長

物語の登場人物のふとしたセリフが気に入った。

 自転車で、再び青森まで走って、津軽海峡を船で北海道へ渡らなければ、二〇年前のあの悔しさを晴らすことはできない。青森までは飛行機が電車というのは意味はない。しかしたとえ若くても、青森まで自転車で行くのは大変な難行苦行。何度も、何日も苦しい思いをしなくてはならない。その苦しみこそが、後になれば自転車の楽しみでもある。
 だが、同じ思いをするのなら、まだ走ったことのない、見知らぬ道、見知らぬ街、見知らぬ山河になにかを発見しながら走り抜けたい。知らない道は、どんなに厳しくても走り抜く自信はあるが、知っている道を二度も走りたくはない。先の見える道に不安はないが、喜びもない。苦しみが苦しみだけで終わってしまう。人生も同じじゃないか、とまでは言わんが、男の性かもしれない。