神林サリー『Easy&Fun! 英語で手帳を書こう』(永岡書店 2012)を読む。
仕事帰りに、何年か振りに与野にある書楽へ赴き、珍しく新刊本を購入した。
先日読んだ、『究極の手帳術』に紹介されていた本である。本屋では手帳のコーナーではなく、英会話のコーナーに置かれていた。
英語で日記や手帳を付けることで英語力アップを目指す類書がいくつかあったが、一番お洒落であった本書を手にした。
スケジュール管理というよりも、毎日の予定やメモ、心のつぶやきを英語で書くことで、英語を使う習慣を付けることに重きが置かれている。
手帳の記入例に加え、手帳でよく使う単語や言い回し、略語などが紹介されている。女性向けに編集されており、恋愛や美容に関する表現が多かったが、参考になることが多かった。
まだ、新しい手帳を購入していないが、少しずつ手帳やToDoメモなどを英語化することで、自然と英語力(単語力?)を付けていきたい。
月別アーカイブ: 2014年11月
『田辺聖子の今昔物語』
田辺聖子『田辺聖子の今昔物語』(角川文庫 1993)を読む。
『今昔物語』の内の、本朝世俗篇から30弱の作品が収録されている。いずれも正確な現代語訳ではなく、「田辺流解釈」であり、貴族や法師と言えども煩悩やら現世欲やらは抑えることができず、「やっぱり人間だもの」といったトーンでまとめられている。
神が人を裁くのではなく、縁が人の人生を操るといった日本の文化に触れたような気がした。
あとがきの言葉が印象に残ったので、書き留めておきたい。
『今昔物語』は人々に仏法を説くための説話集であったともいわれます。善因善果、悪因悪果の因果応報、さらには生者必滅、会者定離の仏教の真理について……。その真理が長大な一篇の物語に凝ると『源氏物語』となり、小さく砕けば『今昔物語』となるのではないでしょうか。尤も、『源氏物語』は説話集ではありませんが、その美しい玉を砕くと、飛び散る一片一片が、『今昔物語』の説話になるのです。
『伊勢志摩殺人事件』
内田康夫『伊勢志摩殺人事件』(中公文庫 2006)を読む。
1988年に刊行された本の文庫化である。
昨夏、伊勢を訪れる際に、南紀伊勢を舞台にした小説を数冊購入しており、そのうちの一冊が残っていたので手に取ったみた。
作者の脂が乗り切っていた頃の作品で、単に観光地名を冠しただけの小説ではなく、きちんと、志摩の実情や海女の内実を踏まえた展開となっている。「伊勢」とは何の脈絡もなかったが、タイトルにふさわしい内容であった。
ここしばらく体調が悪く、やるべきこともたまっているが、地図帳片手に推理小説を読むというのは、思いっきり現実生活を忘れることができる一番の特効薬である。
映画館に通わなくなってからというのも、静かに現実逃避する機会がなく、自分でも気づかないストレスが溜まっていたように思う。仕事や家庭、人間関係で疲れているからこそ、少し冷静になれる時間を大切にしていきたい。
何だか、文章も疲れている。
『究極の手帳術』
仕事の教科書編集部『究極の手帳術:学研ムック仕事の教科書7』(学研パブリッシング 2014)を読む。
表紙にほぼ日の糸井重里氏の顔があったのと、鉛筆サイズの芯が入るシャープペンが付録で付いてきたので、珍しく新刊本を衝動買いした。
中身は手帳と文房具のカタログといった感じだが、糸井氏を始め、多くのビジネスマンや手帳編集者の愛用の手帳の中身が紹介されており、「成功者はここまでスケジュール管理するのか」と向上心をこちょこちょくすぐられた。
今年はほぼ日手帳を初めて購入したが、1日1ページというスタイルときっちり週単位で動く自身の仕事のスタイルが合わなくて、数ヶ月で使用を断念した。5月よりマンスリータイプの薄い手帳を買ったものの、これまたいかにも安っぽい作りと自身のスケジュール管理とマッチせず、無理無理使っている次第である。お陰で先月試験の日を間違えるという大失態に繋がってしまった。
来春より新しい人生のステージに向けての2歩目を踏み出していくので、スケジュール管理、タスク管理、ライフログ、目標達成の4つの側面を持つ手帳とうまく付き合っていきたい。
『城の崎にて』
志賀直哉短編集『城の崎にて』(角川文庫 1954)を少しだけ読む。
久しぶりに『城の崎にて』を扱うことになったので、教材研究として手に取ったみた。
表題作の他、『小僧の神様』や『清兵衞と瓢箪』など14作が収録されている。
ここ最近、気忙しい日々が続き、志賀直哉の淡々とした物語から主題を読み取るような余裕がなく、3、4作読んだだけとなってしまった。
文庫本の『城の崎にて』においては、教科書では割愛されている作者の近況が綴られており、小説というよりも趣深いエッセーといった風で、作者の飾らない姿がよく伝わってきた。