日別アーカイブ: 2007年3月7日

本日の東京新聞夕刊

本日の東京新聞夕刊に、知的障害を抱えた二男を殺害した72歳の父親の裁判の悲痛な記事が掲載されていた。
新聞記事によると、被告の男性は定年後もローンの返済のため働き、日常生活にも常時介護が必要な先天性の脳性まひを抱える32歳の二男の面倒をみていたということだ。しかし、昨年7月に日常生活や授産施設への送迎などの面倒をみていた妻が末期ガンで入院したことで、「家内がいなくなったら、二男は一人では生きていけない。私も年でこの先長くない。二男を殺して自分も死のうと思った」と考え犯行に及んだしまったようだ。当日は朝から二男とテレビを見て、昼食はラーメンを作り一緒に食べ、午後、長女の不在を確認してから二男の胸にナイフを突き刺したそうだ。犯行時の父と息子の模様を思い浮かべるだけで胸が詰まる。二男は「痛いよ、父ちゃん」とつながった言葉を話したことに被告の父親は驚き、「後から行くから待ってて…」と答え自分の胸も刺したとのこと。

被告は最終意見陳述で「二男は私の半分も生きていない。これからいいこと、楽しいことがたくさんあったと思います。子供たちの幸せをめちゃめちゃにした父親は失格です。一生償っていきたい」と述べた。
検察側は「介護の悩みから逃れるための安易で短絡的な犯行」と懲役十年を求刑したとのことだが、果たして本当に責められるべきは当の父親であろうか。貧困な福祉行政しか展開できていない市や県の責任は? そうした市長や県知事、議会を選択している私たちはどうなの?