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『宇宙と生命の起源』

嶺重慎・小久保英一郎編著『宇宙と生命の起源:ビッグバンから人類誕生まで』(岩波ジュニア新書,2004)を読む。
京都大学大学院理学研究科の教授が中心と編集を担当しており、タイトル通り、143億年前のビッグバンの解明に始まり、宇宙空間に水素とヘリウムが多い理由や、超新星爆発によって鉄までの元素が作られる過程などが丁寧に説明されている。最後はもうヤケクソ(笑)で、進化生物学者の教授による鉄と炭素からアミノ酸が作られる実験も紹介されている。京都大学らしいというか、中高生向けに宇宙スケールから細胞、分子、ニュートリノレベルまで、科学の魅力がたっぷりとつまっている。

天の川銀河やアンドロメダ銀河と並ぶ、銀河群として大マゼラン星雲や小マゼラン星雲がある。南天にあるため、北半球の日本からはほとんどみることができない。大航海時代にスペインのマゼランが世界一周(本人はフィリピンで死去)の際にヨーロッパに伝えたことに由来する。

哺乳類は胎内で幼児を産んで、母乳で育てる。その哺乳類の最大の特徴は、代謝機能が向上して、体温を調整する能力をもっていることである。哺乳類が進化したのは恐竜時代の真っ只中である。恐竜は気温が低下する夜間は活動をしない。哺乳類はその夜間に活動することで、恐竜時代を生き抜いたのである。

読みながら、ドラえもんの秘密道具にあった「地球セット」を思い出した。子どもの頃は何気なく読んでいたが、地球や生命の誕生をしっかりと踏まえた道具であった。

『気象なんでも百科』

高橋浩一郎『気象なんでも百科』(岩波ジュニア新書,1984)を読む。
著者は東京帝国大学を卒業後、気象庁長官まで務め、筑波大学でも教鞭をふるった一流の学者である。1960年代に比べ、地球温暖化ではなく、地球寒冷化が進んでいるとの研究もあった頃に刊行された本であるため、異常気象や旱魃などの説明は少ない。それでも、雲や雨、虹などの仕組みが見開き2ページで説明されており、中高生でも読みやすい体裁となっている。
参考になったところを抜書きしておきたい。

季節風がアジアではっきり現れ、アメリカなどではっきりしないのは、地形の影響と考えられる。アジアでは東西にのびるヒマラヤ山系があり、冬の寒気はこの山系の北側で囲まれるため、強い高気圧となる。しかし、アメリカには南北に走る大きな山脈はあるが、東西にのびるものはないので、寒気ができても南に方に流れてしまい、強い高気圧ができないためである。

低気圧や高気圧の速度は持続性があり、1〜2日は同じくらいの速度で移動する。一般に寒い季節は速く、平均時速40kmくらいで、暖かい季節はその半分くらいになる。冬の雨はすぐに止むが、夏の雨は長引くことでも分かる。また、日本を通る低気圧の経路も一定の傾向があり、陸地を避けつつ、海上を北東方向に進んでいくものが多い。

台風の語源はよく分かっていない。明治の末、第4代中央気象台長になった岡田武松によってとつけられた。もとは颱風と書き、中国の福建省で異常に強い風を「颱」といったことからきたとも言われ、台湾付近の強い風だからとも言われる。英語のtyphoonも台風の音からとられたものとも言われるが、古いギリシア語のティフォン(Typhon、怪物)からきたとも、アラビア語のツファン(Tufan、強風)からきたとも言われる。

11月3日の文化の日は、もともと明治天皇が生まれた明治節に由来するが、移動性高気圧に覆われ、その前後の天気と比較すると晴れることが多いことも関係しているようだ。
温度の単位は、ふつう水が凍る温度を0度、1気圧で水が沸騰する温度を100度とする摂氏温度が使われている。このほか人間の体温(摂氏38度)を100度、氷と塩を混ぜてえられる温度(摂氏-18度)を0度とした華氏温度も使われている。

農作物は普通10度以上になると成長をはじめ、温度が高いほど生育が早い。そこで日々の気温から10度を引き、その値がプラスの場合を加え合わせた値、有効積算温度がある一定以上に達しないと収穫はできない。これを度日(デグリーデー)という。有効積算温度は米で3200度日、トウモロコシで2300度日、麦では1600度日の程度である。つまり米は気温の高いところでないとできないし、麦はその半分の気温で収穫できるのである。

地表での圧力は1013ヘクトパスカル、つまり1平方メートルにつき、10.13トン、10300kgの重さがかかっているという計算である。以前は水銀を用いて、大気圧の力で水銀が真空の中を持ち上がる高さで気圧を表現していた。1984年以降、水銀由来のミリバールからヘクトパスカルに変更となっている。

流氷というと、平べったい板状の氷を思い浮かべるが、それは全く違う。海水が凍ると体積が膨張して密度が0.92くらいになるので、流氷は海に浮かぶことになる。しかし、海面上に見えているのは流氷の9%くらいであり、それよりはるかに大きい部分が海面下にある。1912年のイギリスのタイタニック号が北大西洋で沈没し、1513名が亡くなったのは、氷山に衝突したためであった。

赤穂〜秋吉台〜萩 ドライブ旅行 続き

今朝は赤穂駅前にある東横インで目が覚めた。
兵庫県赤穂市も愛媛県伯方島も瀬戸内気候に属するため、夏の降水量が少ない。江戸時代から塩田によって天然塩の生産が盛んであった。ネットで調べたところ、1905年んに専売公社が設立されてから政府の管理下にあった。1971年には全てイオン膜交換法に切り替わったことで姿を消すこととなる。現在、赤穂や伯方の名のついた外国産の天然塩が流通している。

その後、山口県美祢市までかっ飛ばした。


秋芳洞 日本三代鍾乳洞の一つに指定されているらしい。
それにしても、日本人は「三大〜」が好きだね。


その後、秋吉台ジオパーク周辺を散策する。残念ながら博物館は休館であったが、石灰岩特有の凹地形であるドリーネやウバーレを自分の目で確認することができた。


帰りは萩市の外れにある民泊施設で休むこととなった。

『夫婦2人で世界一周自転車旅行』

青木史也『夫婦2人で世界一周自転車旅行』(彩図社,2014)を読む。
タイトルにある「世界一周」ではないが、タンデム自転車で東南アジア、東アフリカ、ヨーロッパ、北米、南米を旅したエピソードが綴られている。ちょうど著者は私と同年代であり、まだ体力が有り余っている30歳前後の頃の旅日記である。時期も異なるので仕方ないのだが、一つ一つのエピソードが繋がっていないので、冒険というよりも旅行記のような体裁となっている。もう少し編集サイドで地図やエピソードのまとめがあると、もっといい本になったのにと思う。

『コンビニ ファミレス 回転寿司』

中村靖彦『コンビニ ファミレス 回転寿司』(文春新書,1998)を読む。
著者は東北大学文学部を卒業後、NHKで食の取材を重ねてこられ、執筆当時解説委員と女子栄養大学客員教授を務められている。もう30年くらい前の本であるが、タイトルにあるコンビニ食やファミレス、回転寿司だけでなく、食料自給率やフードロス、米余り、冷凍食品技術、遺伝子組み換え、子どもの孤食など、現在にもつながる食をめぐる様々な課題に言及している。「子どもの食卓はその家庭や家族状況を知るための手掛かりになるだけでなく、その時代の食事情をうかがわせる入口」だと著者が述べるように、個別の食事や食生活が、時代を反映する鏡となっていることに気づく。

米余りの分析が興味を引いた。10アールあたりの年間労働時間(1996年)を比べると次のようになる。

  • 稲作 38時間
  • 露路野菜 110時間
  • 温室・ハウス野菜 212時間
  • 温室の花栽培 236時間

上記の統計を見ても分かる通り、米は他起こし、田植え、収穫作業まで一貫して機械化されているし、共同の施設もあり、雑草をとるにも除草剤があり、病気や害虫を防ぐ農薬まで準備されている。他の作物に比べ3分の1から6分の1の労働時間ですむ。だから、サラリーマンしながらの第二種兼業農家として最も適した作物となった。といってもコメも1970年(昭和45年)には、10アールあたりの労働時間は117.8時間であった。必ず政府が購入する食管制度に守られ、農機具メーカーも開発努力を継続できたことが背景にある。