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「『栄光』運営塾管理49歳男性が過労死」

本日の東京新聞夕刊の社会面に、栄光ゼミナールで知られる学習塾大手「栄光」が運営する個別指導塾に勤務していた49歳の男性が死亡し、渋谷労働基準監督署が労災として認定したとの記事が掲載されていた。男性は生徒180人が在籍し、約30人んの大学生アルバイトが指導を担当する世田谷区の教室で運営管理をする「教室長」を務めていた。時間割作成や保護者対応などで連日深夜まで働き、死亡前1か月の残業が実際よりも少ないながら約114時間もあった。
記者会見の中で遺族の妻は「自己責任論を盾に、労働者に全てを委ねるような運営は会社の怠慢だ。早急な対策を願う」と訴えている。

この遺族の妻のコメントは大事な点を指摘している。教室長という立場だから運営の裁量権も本人にかなり任さていたのかもしれないが、「自己責任」という言葉一つで片づけてしまうのは誤りである。なぜ誤りなのかということを自分の言葉で明確に説明できるようにしていきたい。

「自由民権運動 研究で交流」

本日の東京新聞夕刊に、明治時代の自由民権運動をそれぞれの地域で研究する個人・団体が「全国自由民権研究顕彰連絡協議会」を結成したとの記事が掲載されていた。

記事によると、板垣退助の出身地の高地、多数の自由民権家が活躍した東京・多摩地区、運動が激化したケースの一つである秩父事件(1884年)の埼玉などから研究者52人が参加し、緩やかに交流と親睦を図るとのこと。

改憲論議が喧しい中で、自由民権運動を振り返ることは有意義なことである。GHQに押しつけられたと改憲を主張する輩こそ、千葉卓三郎の五日市憲法や植木枝盛の東洋大日本国国憲按をはじめとする私擬憲法の先進性を見るべきである。

「中央アフリカ 紛争で避難民急増」

本日の東京新聞朝刊に、ユニセフの子どもの保護専門官として中央アフリカに赴任している小川亮子さんのインタビュー記事が掲載されていた。
記事によると、中央アフリカ昨年末から武装勢力同士の戦闘だけでなく、村も攻撃され、人々は着の身着のままで逃げている状況が続いている。ビスケットをもうらためだけに体を売る少女がいたり、数千人の子どもが兵士として雇われていたり、政治だけでなく経済も社会そのものが崩壊の危機に瀕している。産業もままならず、このままでは大規模な飢饉の恐れもあり、大量の餓死者が出る可能性が指摘されている。

アフリカというと、ソマリアや南スーダンなどの内戦や、シエラレオネやブルキナファソなど西アフリカの環境破壊、貧困などに関心が集まっていたが、中央アフリカはすっぽりと抜け落ちていた。統計によると女性の非識字率は75.6%に達し、重度の栄養失調の子どもは4万3000人にも上る見込みである。日本から遠い国だが、様々な媒体を通じ情報を発信してほしい。

中央アフリカ共和国
2013年、イスラム教の反政府勢力が首都バンギを制圧。キリスト教武装勢力と衝突し、国連平和維持活動の展開後も分派した複数の勢力などによる抗争が続く。背景には、金、ダイヤモンドなど豊富な資源争いがある。ユニセフによると、現在国内避難民は約64万人、近隣国への難民は57万人。世界飢餓指数は今年、119ヵ国で最下位。新生児と妊産婦の死亡率は世界で2番目に高い。

「『共生』の国はどこへ 入管難民法の改正」

本日未明、与党と日本維新の会で外国人就労拡大に向けた改正入管難民法が参院本会議で可決した。
難民受け入れそのものは反対するものではないが、国会審議は酷いものであった。法案の肝心の中身が「法務省令で定める」とされており、議論のへったくれもない。本日付けの東京新聞の社説では次のように述べられている。

本来であれば、法制度の全体像は国会提出前に政府部内や与党内で綿密に組み立てられ、それを基に国会で十分な審議時間をかけて議論されるべきだ。
全体像を明らかにしないまま国会審議を強引に進め、成立さえすれば、あとは政府の思い通りになるという安倍政権の政治姿勢は、唯一の立法府である国会を冒涜するに等しい。断じて許されない。

ここ最近の防衛費の無駄遣いも含めて、「国民主権」すら明記されていなかった大日本国憲法下の明治時代の国会審議の方がよほど民主的である。八八艦隊の予算を巡って国会が紛糾したり、開拓使官有物払下げ事件で潔く政界から追放されたり、明治期の政治の方がここ数年の国会よりもマトモに見える。

「テロを助長する不公正」

本日の東京新聞朝刊に、論絶委員の青木睦氏のタジキスタンの政治・外交に関するコラムが掲載されていた。アフガニスタンの北隣に位置するタジキスタンでは、過激派組織「イスラム国」(IS)の活動が活発で、アフガニスタンからタジキスタンを経て中央アジア全域に脅威が及んでいる。そうした「過激主義は貧困や体制側の専横、腐敗という社会的不公正を土壌にしてはびこる」ものである。タジキスタンは人口は900万人足らずで、国土は日本の4割という小国である。インフラ整備が遅れ、世界食糧計画(WFP)によると、一日1.33ドル未満で暮らす人が半数近くに達する。旧ソ連圏の中で最貧国であり、多くのタジク人がロシアに出稼ぎに出かけている。国民総所得でもアジア全体でアフガニスタン、ネパール、カンボジアに次ぐ第4位の少なさである。
20年以上も大統領の座にあるラフモン氏への権力集中が進み、抑圧的な統治が続き、腐敗を始め長期政権の弊害も目立っている。青木氏が「民生の向上はテロ根絶につながる」と述べるように、日本から距離以上に心理的に遠いタジキスタンの政治に着目していきたい。