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経済学史 第一課題

スミスの『国富論』第1編を説明せよ。

序論
 Smithは『道徳感情論』の中で,経済人の利己的な行為が自ら企図せざる結果を生むとし,重商主義や重農主義を批判した。「序論」の中で,国民の富とは「国民が年々消費する生活の必需品と便益品の全てを本源的に供給する元本」であると定義づけ,富の源泉は労働であり,富とは消費財であるとした。さらに,そうした富の増大は,分業と生産的労働者の2つの要因で規定されるものである。

分業論
 Smithによれば,文明社会における労働生産力の増大の最大原因は分業である。18世紀に入り工場制機械工業が導入されると,全行程を一人の職人に担当させるよりも,作業行程を分割し単純化させた方が労働生産性が飛躍的に高まることが明らかになってきた。Smithによると,当時の英国は「(文明国の)農夫の暮らしぶりが,1万人もの野蛮人の生命と自由の絶対的支配者たるAfricaの王侯の暮らしぶりを凌ぐということは真実だろう」と,分業による生産力の増大によって最貧層の者でさえ豊かな消費財を享受していた。

利己心論
 Smithによると,多くの利益を生む分業の原理は,人間本性の「交換性向」と利己心にある。「自分に有利となるように仲間の自愛心を刺激することができ,そして彼が仲間に求めていることを,仲間が彼のためにすることが,仲間自身の利益にもなるのだということを,仲間に示すことができるなら,その方が目的を達しやすい」と述べるように,人間社会は一方乃至他方の博愛心ではなくて,相互の利己心に基づくGive & Takeによって,結果的にWin-Winの関係が成立しているのである。

価値論
 Smithは分業と交換が発展していく中で,物々交換の不便さを解消するために貨幣が用いられた過程を分析し,「貨幣はすべての文明国民において商業の普遍的用具となった」と述べ,貨幣は商品の交換価値を評価する価値尺度として機能するとした。さらに,使用価値は持つが交換価値はほぼない水と,使用価値はないが交換価値は極めて高いdiamondの逆説を例に出しながら,交換価値を決定する法則を決定する必要があるとした。

労働価値説
 Smithは交換価値の尺度について2つの定義を示している。1つは投下労働説と呼ばれ,「あらゆる物の実質価格,すなわちどんな物でも人がそれを獲得しようとするにあたっては真に費やさせるものは,それを獲得するための労苦と煩労である」と定義付けされる。つまり,その商品の生産に投下された職人たちの賃金に加え,利潤や地代をも含めた労働力の総量である。特に,労働の全生産物が労働者に属するような未開社会では投下労働説の妥当性が見いだしやすい。
 もう1つは,支配労働説と呼ばれ,「ある商品の価値は,…他の商品と交換しようと思っている人にとっては,その商品でその人が購買または支配できる他人の労働量に等しい。それゆえ労働は全ての商品の交換価値の尺度である」と定義付けされる。つまり,その商品によって支配できる労働力の総量を示している。近代社会では労働の生産物が一人の職人に帰属されるものではなく,労働者は賃金を,資本家は利潤を,地主は地代を得るようになり,商品の価値は,賃金と利潤と地代の分配の構成で決定されるので,支配労働説の方が商品価値の説明としては分かりやすい。

自然価格論
 Smithによれば,一般的に商品の自然価格は,労働量(賃金)・利潤・地代の自然率から構成される。市場に供給される商品の価格が,生産に用いられる価格と過不足なく一致している時に,その商品は自然価格で販売される。これに対して,商品が通常に販売される現実の価格を市場価格と言い,自然価格と市場価格の関係は,商品の供給量と有効需要の割合によって決定される。供給が需要よりも少ない場合,市場価格は自然価格よりも上昇し,供給が需要を下回る場合,市場価格は自然価格よりも下落する。さらにSmithは「自然価格はいわば中心価格であって,そこに向かって全ての商品の価格が絶えず引きつけられる」と万有引力の法則を援用し,自然価格は,各商品の需給均衡,各部門間の利潤率均等化の機能を果たし,そして要素の最適資源配分を達成する価格であると述べる。

分配論
 Smithによれば,賃金は労働者の生産物から地代と利潤とを控除した残りの分である。北米や英国など,国民の富の増加が急速な国では,労働需要の増加が大きく,賃金は最低率を大きく越えて高くなる。高賃金は労働者の勤勉を刺激する。そして高賃金は商品価格を上昇させるが,一方で資本蓄積による労働生産力の増進は,生産に必要な労働量を減少させて価格を低下させる。また,資本の増加は,賃金の引き上げと同時に利潤率を引き下げる傾向にある。Smithによれば,資本蓄積の進んだ国ほど,利潤率は低いが豊かである。生産と分配における労働者・資本家・地主の3大階級と,それに対応した賃金・利潤・地代という要素間の相互の収支関係が古典派経済学の基本的な枠組みとなっている。

地誌学 第2課題

【北Eurasia】
 ほぼ東経60度の経線に沿って,Ural山脈が走っており,西側は標高300m以下の東Europe平原が広がっている。東側からEnisei川にかけては西Siberia低地が広がり,Enisei川以東からLena川にかけて中央Siberia高原がある。Lena川以東は新期造山帯となり,北米・太平洋Plateの境界に位置するKamchatka半島では地震活動が活発で,約30の活火山が世界自然遺産に登録されている。気候的には大半が冷帯気候に属する。国土の約3割で1月の平均気温が-30度を下回り,結氷期間は半年以上にわたる。気温の年較差が大きく,東Siberiaでは60度以上にも及ぶ。国土の大半はTaigaと呼ばれる針葉樹林に覆われ,北極海沿岸は蘚苔や地衣類が生育するTundra帯である。Russia南西部や南部の国境地帯のSteppe気候地域に人口が集中している。また,TaigaやTundaraが広がる地域は永久凍土となっており,その南限は1月の-20度の等温線とほぼ等しい。
 Russiaは,世界でも有数の鉱産資源大国であり,石油や天然ガス,石炭,鉄鉱石など,主要な地下資源のほとんどの産出量が世界の上位に位置する。また,diamondやnickel,金なども豊富で,社会主義時代には,軍事力を背景にして,鉱産資源を安全に輸送するために周辺国を押さえ込み,pipelineを敷設するなどしてきた。しかし,1991年のソ連解体後,次々と周辺国が独立し,資源や国境を巡る民族・宗教紛争が頻発している。昨今のUkraine騒乱や,Chechen共和国の独立運動も,民族・宗教・言語の全ての面で統制を図ってきた旧ソ連時代の反動が続いていると分析できる。
 日本とは北方四島の帰属を巡りもめているが,旧樺太にあたるSakhalinの石油や天然ガスの多くが日本に輸出されている。

【Europe】
 気候的には,西部が暖流の北大西洋海流の影響で温帯気候,東部が冷帯気候,Alps山脈以南は地中海性気候となっている。IcelandやScandinavia半島は寒帯に属し,Fjordなどの氷河地形が見られる。
 通商貿易に依存した港湾都市が大都市となり,やがて国家へと発展した例が多い。また,言語はLatin語を基礎として発展したものが多く,ほぼ民族国家単位の国語に分かれている。Christ教を共通の文化基盤としており,言語や宗教を巡る紛争が少ない。
 そうした文化の共通性もあり,1993年のMaastricht条約の発効に伴い,EUが成立した。2014年現在加盟国数は28となり,単一通貨Euroは18カ国に流通している。
 日本との関係も深く,1860年代以降,憲法に始まり,政治や経済,学問や思想,芸術の幅広い分野で日本はEuropeの波に洗われた。

【北America】
 西部はAlaska山脈やRocky山脈などの環太平洋造山帯の険しい山脈が連なり,東部は,Labrador高原やAppalachian山脈などの安定陸隗が広がる。北緯40度以北は冷帯や寒帯,西部は乾燥帯,東部は温帯気候となっており,夏に竜巻やHurricaneが頻繁に発生し,大きな被害をもたらしている。
 北米の農業地域は,いくつかの農業地帯に区分されてきた。中西部のCorn Belt,南部のCotton Belt,年降水量500mm前後のWheat Beltが代表的である。現在,大規模な企業的農業や,乾燥地帯でもCenter Pivotによる灌漑施設が点在し,穀物majorのような商社が国際流通に大きな影響力を持ち,世界最大の農作物輸出地域となっている。
 また,北米経済は豊かな地下資源に支えられ,20世紀を通じて,石油や石炭,天然ガスなどを活用した繊維産業や製鉄業,自動車,造船業などの伝統的工業が世界を牽引してきた。20世紀末以降は,航空宇宙産業やICT産業,biotechnologyなどの先端技術産業の分野へと活路が広がっている。
 日本と米国の関係は深く,軍事,政治,経済,学問,文化,思想の全ての面で,「共依存」関係にあると言っても過言ではない。

【中・南America】
 太平洋沿岸はMexico高原からAndes山脈までの新期造山帯で,Guiana高地やBrazil高原などの東部は安定陸隗となっている。その中央部にはAmazon川流域の世界最大の熱帯雨林が広がり,地域の75%以上は熱帯に位置する。
 地域全体の共通性や同質性が強く,総人口5億6千万人のうち,約63%がSpain語を,約34%がBrazil1国であるがPortugal語を公用語としている。また,この地域の人口の90%前後がCatholic教徒である。Spain/Portugal両国の植民地支配の名残で,monoculture経済による1次産品の輸出偏重と外国資本への依存や,過剰都市化の進展や一極集中,国内の経済格差や国規模での格差の拡大が進んでいる。
 2014年8月に安倍首相がBrazilの日系社会の会合に招かれ,「絆をより太く」と発言したように,日本からの移民も,また日本への移民も数十万人単位を数えるほど関係は深い。

地誌学 第1課題

 地誌学は,特定の場所や地表についての地理学的研究であり,空間的・地域的な特殊理法を見出そうとする科学である。その研究方法には以下の5項目があげられる。
1)分布図の作成と計量的な検討 人口分布図や水田率の分布図,地形図などを用いて,特定の場所での事象や分布を計量的に検討し,空間的・地域的に認識すること。
2)地域の類型と区分 Christallerの「中心地理論」など,同質地域や結節地域,総合地域など,地理的事象の場所的なまとまりを見出し,地域を設定し,地域に区分すること。
3)地域の構造 Köppenの気候区分やBurgessの同心円理論など,地域の内部構造を,地域を構成する諸要素や諸因子の組み合わせによって明らかにすること。
4)地域の連関 Isardの経済的結合関係の計量化など,地域を構成する諸要素が,相互に連関している状況を明らかにすること。
5)地域の形成 地域が形成され,推移していく歴史的過程や背景を明らかにすること。

【東南Asia・南Asia】
 India南部は安定陸隗に属するが,東南Asiaの東縁の環太平洋造山帯や,NepalからPakistanまでのAlps=Himaraya造山帯は,新期造山帯に属し,1991年のPinatubo火山噴火や,2004年のSumatra沖地震に代表されるように,地震・火山活動の活発な地域である。また,海岸部にはMangroveが広がり,1960年代以降,河口部の巨大Deltaの大半も水田開発が行われている。気候的には,大半がmonsoonのある熱帯雨林気候となっており,雨期を有効に活用した浮稲や棚田などの稲作が人々の生活を支えていた。しかし,近年地球規模の温暖化やIndonesiaの熱帯雨林破壊の影響のためか,monsoonの時期や地域のズレが目立つようになり,El Niñoなどの異常気象の引き金になっているとの指摘もある。
 元々,この地域は古くから民族移動が多い地域であった。しかし,19世紀以降,綿花やCoffee,砂糖黍,天然ゴムなどの商品作物の強制栽培地として欧米諸国による植民地化が進んだ。戦後,宗主国が民族や宗教,言語の分布を無視して国境を策定したため,欧米からの独立戦争終結と合わせて,国内の民族・宗教紛争が頻発することになった。印パ戦争やCambodia,Vietnam,東Timorでの内戦の結果,多くの難民が生まれ,民族や宗教が一段と多様化することになった。
 1990年代後半には,東南Asia10カ国がASEANを作り域内の経済・社会分野の相互協力を進めている。また1985年には,南Asia7カ国がSAARCを発足させ,域内の経済成長と国民生活の向上を目指した協調関係構築している。戦時中は日本の軍事支配下に置かれたが,大戦以降,JICAやODA,NGOによる技術援助や社会援助,開発支援が功を奏し,日本との経済的連携は緊密なものとなっている。

【西Asia・北Africa】
 西AsiaはArab Plateに,北AfricaはAfrica Plateにのる安定陸隗だが,TurkeyからAfghanistanに至る地帯はAlps=Himaraya造山帯に属し,地震・火山活動の活発な地域である。地域一帯全て砂漠気候に属し,古くからOasisを中心に湧水や地下水を利用して灌漑農業が発達した地域でもある。Nile川やTigris/Euphrates川では,Egypt文明やMesopotamia文明が栄え,7世紀にはIslām教が誕生した地である。8世紀には西Asiaから北AfricaにまたがってIslām教徒の大帝国がつくられ,Silk Roadを通して,文明の十字路の役割を果たした。20世紀に入り,石油や天然ガスが開発されたが,欧米の石油資本が潤うだけであった。戦後,OPECやOAPECで各国が結束し,産油国資本となったが,石油Monocultureから脱却できず,独裁政権によって格差や貧困が拡大し,現在では全ての国が穀物輸入国に転じている。
 連合赤軍によるTel Aviv空港乱射事件がArab諸国から英雄視されるなど,親日感情を持つ人が多い地域である。日本は石油全輸入量の90%をこの地域に依存している。

【中・南Africa】
 Africa大陸東部は大陥没地帯があり,火山・地震が多い地域である。Congo盆地南側から大陸南端まで標高1000m以上の盆地となっている。また,赤道を通るCongo盆地は熱帯雨林気候で,その周辺はSavanna気候,以降南に下るに連れて,Steppe気候,砂漠気候,大陸南端は地中海性気候と帯状の気候区分が見られる。
 様々な風土病でも知られ,Tsetse蠅を媒介したTrypanosoma症やmalariaなどが猛威をふるっている。現在,LiberiaやSierra LeoneではEbola出血熱の拡大が懸念されている。
 CassavaやBanana,モロコシ,ヤムイモなどが主食作物であるが,植民地支配の影響が強く,Cacao豆やCoffee,落花生などの輸出作物,また鉱物資源が各国の経済を支えている。
 1960年を境に多くの国が独立を果たしたが,国政を担う近代的民族国家の建設は,政治的にも経済的にも難しく,社会主義の方向性も模索され,国境策定や資源を巡り激しい内戦や民族紛争が続いている。

社会科教育法Ⅱ 第2課題

夏バテで、めっちゃくちゃな内容となってしまった。あまりに恥ずかしいので読み返しもしていない。書いてる本人が何を言いたいのか分かっていないので、こんな文章を読まされる先生は大変である。。。すみません。
これでレポート24本のうち、12本が終わった。きちんと調べて推敲したのはその内2本だけという有様。後半戦は巻き返しを図りたい。

1 歴史学習の基本構想
 歴史を学ぶ本義は,論語の「故きを温ね,新しきを知る」ことである。私たちの先輩である人類が成し遂げた進歩や過ちの経験を将来に生かし,これからの国際社会において,平和で民主的な国家・社会を形成していく若者を一人でも多く育てることにある。そのために,項目の暗記に終始してきた「受験歴史」の反省を踏まえ,我が国の歴史の大きな流れを理解し,「なぜあのような悲劇を招いてしまったのか」「なぜ現在はこのような複雑な国境となっているのか」といった歴史を考察する力を身につけさせたい。また,国際社会に日本の立場や主張をきちんと説明する表現力や説得力も育てていきたい。
 さらには,現代を生きる私たちが,古代から現代に至るまで人類が営々と築き上げてきた国家・社会の形成過程の通過点に過ぎない時間に存在しているという謙虚な姿勢を忘れてはならない。得てして,歴史の学習は,歴史の完成形である現在から未完成な過去を遡るといった高見の見物になりがちである。1942年に刊行された雑誌『文學界』に掲載された「近代の超克」論において,歴史の頂点を越えた国家のありようが結局は戦争礼賛であったという事実を踏まえなくてはならない。歴史学習を通して,これからも発展と同時に必ず誤りも犯し続ける人類に対する,溢れんばかりの期待と反省を学ばなくてはならない。
2 日本史の学習
 近年,尖閣諸島や竹島をめぐって,新聞やテレビの報道で,中国側や韓国側の露骨な軍事作戦を諫める論調が目立つようになった。しかし,私たち日本人の何割が竹島や尖閣諸島といった領土について学んできたであろうか。今般の領土問題は,連合国側がサンフランシスコ平和条約締結の際に円満に解決してくれたので日本側からほじくり返す必要はない,といったこれまでの社会科教育の陥穽を突かれたと言っても過言ではない。
 小・中学校の学習指導要領でも「我が国の国土と歴史の理解と愛情」が謳われており,日本の国土と歴史に対する知識と意識の両面の涵養を図りたい。また,中学校の学習指導要領では,「沖縄返還などの節目となる歴史的事象を取り扱う」との指摘がある。現在でも,沖縄が米軍の「占領」状態に固定化されているという事実も,国土認識に合わせて,丁寧に歴史的背景を辿りつつ,憲法の学習などの公民分野と関連させて学ばせたい。
3 歴史学習における「時代」の扱い
 効率的な暗記テクニックの一つに,事柄のイメージ化やグループ化といったものがある。歴史であれば「室町時代は戦乱の時代」と一括りにし,文化や経済も室町時代という一つのカテゴリーでばっさりと関連づけて,芋づる式に覚えやすくするものである。授業の工夫を試みる教員に対して,こうしたチャート式の指導を頭から批判することは難しい。しかし,歴史学習の本義に則り,民衆や地方といった複数の視点や,時代の移行,政治と文化のズレといった,単純な「時代」区分から漏れていく歴史にまで踏み込んでいきたい。
4 外国史・世界史の学習
 近年,国際スポーツ大会での差別発言や,在日外国人排斥を声高に主張するヘイトスピーチなど,アジア地域を見下す雰囲気が強くなっている。古来から日本は島国で孤高を保ってきたのに,グローバル化の中で,日本の文化や習慣が損なわれているといった勘違いも甚だしい論調も目立つ。しかし,日本はアジアの国々から稲作や仏教,漢字など多くのことを吸収してきたお陰で発展してきた。また,第二次大戦では多くの韓国・朝鮮人が日本に強制的に連行され,日本での生活を戦後も余儀なくされてきた。こうした日本を取り巻く歴史をきちんと学ぶことが,国際協調や国際平和の第一歩である。
5 文化史の学習
 文化史というと,その時代の雰囲気を象徴する芸術作品や文学作品の名前と著作者名をただ丸暗記するだけといった苦い印象が強い。しかし,江戸期の『南総里見八犬伝』が,アイドル映画に改変されて若者に伝わっているように,生きた作品として扱うことで,逆に生徒の興味関心を高めるきっかけとしたい。
6 授業の計画と展開
 歴史への入り口は教員が考える以上に広い。ゲームや漫画のキャラクターから興味を持ったり,ドラマやアニメで取り上げられた人物の生き様への共感から,城跡や旧家を辿ったりする生徒も多い。
 特に歴史分野は,生徒の関心と実際のテストの点数の相関性が他の教科よりも高い傾向にある。これは数学などの科目と異なり,教科書以外で触れる機会が多いためであると考えられる。そうした生徒の歴史への関心を削ぐことなく,日本の歴史の大きな「流れ」に導き,その時代時代に生きた人間への共感や批判を通して,人間そのものを学ばせたい。

科目試験 第1回目

本日、創価大通信教育の第1回目の試験を受けてきた。
地理歴史科教育法、地理学、人文地理学の3科目である。
試験というものには慣れているが、問題用紙と解答用紙に向かって時間を気にしながら必死にペンを走らせるというのは、思えば数年ぶりの経験である。頭の中はまだあまり衰えていないと思うが、シャーペンを握る指の筋肉は確実に落ちている。

試験に対する焦りは半月程前から感じていたが、勉強の時間はなかなかとることができなかった。「一夜漬け」ならぬ「一時間付け」で解答用紙に向かうことになった。一応得意の話を脱線させながらもっともらしい(中身のない)文章で埋めることができたが、勉強不足が露呈してしまった。すっぱりと落第すれば良いのだが、一応答えらしきものは書いているので不合格には出しにくい答案だろうと自賛している。

  • 地理歴史科教育法
    1 世界史Bの「世界史の扉」について述べなさい。
    2 世界史Bの指導計画の作成と指導上の配慮事項のうち、「主題を設定して行う学習についての配慮事項」を説明しなさい。
  • 地理学
    プレートテクトニクスについて説明しなさい。
  • 人文地理学
    高潮による浸水被害はその地域の地形によって違いが生じるが、その違いを高松市の事例で説明しなさい。