漫画」カテゴリーアーカイブ

『マグマ大使』

手塚治虫『マグマ大使』(秋田文庫 1995)全2巻を読む。
1965年から1967年にかけて「少年画報」という雑誌に掲載され、日本初の全話カラーで作成された同名タイトルの特撮ドラマの原作となった作品である。
テレビ版とうまく噛み合わなかったのであろうか、いささかやけっぱちな展開が目立つ。
さらっと読み流したが、宇宙の始まりや、キノコの胞子の拡散など、流石と思わせる場面もいくつかあった。

『火の鳥』

手塚治虫『火の鳥』「黎明編」「未来編」「ヤマト編・宇宙編」(朝日ソノラマ 1976)の3冊を20数年ぶりに読み返す。
娘の部屋を作るので、押入れの棚の奥を整理していたら出没したものである。折しもNHKテレビで「手塚治虫」特集が組まれており、解説を識者の語る『火の鳥』解読を見ながら、一気に3冊読み終えた。
生と死を巡る壮絶なドラマが果てしない時間と空間のスケールで描かれる。テレビの解説にもあったが、歴史やSFの要素に絡めて、華厳経の「一即多 多即一」の教えにも通じる世界観や、善悪を超越した生命観などのテーマも織り込まれている。早く続きが読みたい。

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『鉄腕アトム別巻②』

手塚治虫『鉄腕アトム別巻②』(秋田書店 2000)を読む。
先日読んだ、大人向けのやさぐれたアトムなどが登場する『別巻①』とは異なり、雑誌「小学二年生」に連載されたもので、一見変わった不思議なロボットたちが登場する子ども向けの内容となっている。少々ガッカリしながらページを捲っていった。「月刊少年ジャンプ」に掲載された、自然を破壊する人間と人間を最後まで信じようとするアトムの姿を描いた『シルバー・タワー』という作品が、唯一青年向けの内容であり興味を引いた。

『W3』

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手塚治虫『W3』(秋田書店 1968)全2巻を読む。
先日の『鉄腕アトム』と同時期に買った本で、30数年ぶりに読み返す形になった。
もう50年前の漫画だが、今映像化しても派手な格闘シーンや、地球爆発、時間軸の交錯など、SFアクション映画の要素満載の映画となりそうだ。

『鉄腕アトム 別巻①』

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手塚治虫『鉄腕アトム 別巻①』(講談社 1982)を読む。
クローゼットの奥から30数年ぶりに陽の目を見たので手に取ってみた。
確か小学校の頃に正義のヒーローである鉄腕アトムの漫画だと思って買ったのだろうと思う。サンデーや週刊朝日、文芸春秋デラックスといった雑誌に掲載されたもので、あちこちに子どもを作ってしまうものぐさなアトム2世の話や、ロボットの家畜と化した人間の悲しい恋愛物語など、ちょっと大人向けの漫画となっている。
小学校の時分に読んだ際に、イメージと異なるアトムの姿にガッカリとした記憶がある。しかし、今読むに、無鉄砲な原子力発電や無節操なロボット開発を皮肉ったような内容もあって面白かった。