漫画」カテゴリーアーカイブ

『T・Pぼん』

藤子不二雄『T・Pぼん』(潮出版社 1979)全5巻を読む。
小学生の頃に購入してずっと所有し続けた漫画である。よく残っていたものである。
小学校3、4年生の頃に読んでいたもので、何度も読み返して世界史への興味を膨らませた思い出がある。歴史上の名前もない人物に焦点をあてながら、歴史の繋がりを感じさせてくれる作品となっている。ドラマ「西遊記」で三蔵法師役を演じた夏目雅子さんの名前もこの漫画で知った。

高校時代に世界史を選択したが、多分にこの漫画の影響が強い。4月以降の授業の予習に先立ち、自分の原点を確認することができた。さあ、これからの勉強を楽しんでいきたい。

『新世紀エヴァンゲリオン』

貞本義行漫画・カラー原作『新世紀エヴァンゲリオン』(角川コミックス・エース 2014)を読む。
角川の漫画雑誌『月刊少年エース』などに連載され,休載を含め1995年から2013年まで足掛け19年をかけて完結した長編漫画である。
TV版の内容と全生命が一体となる人類補完計画を描いた旧劇場版の内容を踏まえたものとなっている。来年に公開される完結編の映画の予習として,しっかりと取り組むことができた。

12巻までは夏に一気に読んだのだが,13巻が手に入らず3ヶ月ほど放り出していた本である。確か新宿のコマ劇場前の映画館だったか,大学時代に友人と映画を観た後に語り合った場面がふと記憶の奥底から浮かび上がってきた。

手塚治虫の『火の鳥』に似た生命観,「心の隙間をお埋めします」の文句で有名な喪黒福造,子宮回帰願望,生命誕生前の有機物のスープなど,とりとめない言葉が思い浮かんでは泡のように消えていく。ポエムのような世界観を持った作品であった。

『僕だけがいない街』

三部けい『僕だけがいない街』(カドカワコミックス・エース 2013)全8巻を読む。
映画「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」や映画化もされた小説「時をかける少女」のようなタイムリープもののSF漫画である。時間を遡って殺人事件を追う青年(少年)が主人公の物語で,荒削りな画風が物語にテンポを与えている。全ての話の辻褄が8巻で一応完結し,番外編として第9巻が刊行されているのだが,まだ手に入れていない。話を忘れないうちに読んでおきたい。

『風の谷のナウシカ』

宮崎駿『風の谷のナウシカ コミック』(徳間書店 1994)全7巻を読む。
学生時代だったかに一度読んだことがあるのだが,内容はすっかり忘れてしまっていた。
ナウシカという10代の女性を通して,動植物が平和に暮らす清浄な新世界のありようを模索しつつも,殺戮と破壊を繰り返し,新世界では生きられないように人工的に汚染された人間の苦悩を描き出す。

途中で何年も休載を挟んだせいか,途中で話が上手く繋がっていないところがあり,読み解くのに苦労したが,自然を破壊する人間に対する厳しい眼差しと,一方で,そうした貪欲に生きる人間に世界を築いていく希望を託したいという宮崎駿氏のメッセージが伝わってきた。

『AKIRA』

大友克洋『AKIRA』(講談社 1993)全6巻を一気に読破する。
ぐだぐだとあらすじを述べるのは不要だろう。
映画作成のため長期休載を経たので、前半と後半の繋がりに疑問を感じる場面があったり、特に後半は様々な思惑や勢力が入り乱れ、話がややこしくなったりするが、そうした疑問や前半に張られた伏線が圧倒的なアキラくんのパワーで気持ちいいほどに薙ぎ倒されていく。