投稿者「heavysnow」のアーカイブ

「双葉町の成人式 参加者減で中止」

本日の東京新聞夕刊に、双葉町が主催していた成人式が中止となったとの記事が掲載されていた。双葉町といってもピンと来ない高校生も多いであろう。2011年の福島第一原発事故で、原発があった大熊町と双葉町(1号機から4号機が大熊町、5号機と6号機は双葉町)は、2年前まで全町民が町外での避難生活を続けていた。両町のホームページをみると、大熊町

2年ほど前から一部地域で避難指示解除が出され、町民が戻り始めているのだが、大熊町で1000人、双葉町で100人ほどだそうだ。

昨年の夏に両町を自転車で走ったのだが、国道のみ通行可能で、周囲は全て柵で閉ざされ、侵入禁止区域となっていた。

原発事故から13年経ち、今年二十歳になる若者は小学校から避難地域で生活しているのだ。記事にもある通り、居住地主催の式に出席するのは当然の流れであろう。何か寂しい気もするが、

「エチオピア地滑り229人死亡」

本日の東京新聞夕刊に、エチオピア南部の地滑りの様子が報道されていた。
エチオピア南部のゴファという場所で、首都のアディスアベバから南西にあり、ケッペンの気候区分ではAw(サバナ気候)に位置する。冬は亜熱帯高気圧に覆われて乾期となるが、夏は熱帯収束帯が北上して雨季となる。内陸の国なので、熱帯低気圧の影響は少ないが、記事にもある通り気候変動の影響によって、気候の極端現象(極端な高温/低温や強い雨など、特定の指標を越える現象)が相次いでいる。遠く離れたエチオピアの災害であるが、日本にとって対岸の火事では済まないであろう。

 

 

『堪忍箱』

夏休み5冊目

宮部みゆき『堪忍箱』(新人物往来社,1996)を少し読む。
江戸下町を舞台にした短編集で、表題作の他7編が収録されている。「堪忍箱」と「砂村新田」の2編を読んだ。どちらも商家のしきたりや女中奉公など江戸時代をモチーフとしているが、引き込まれるような魅力のある作品となっている。

『レプリカキット』

夏休みの4冊目

長野まゆみ『レプリカキット』(学研,1992)をパラパラと読む。
自分そっくりの姿形を持ち、モデルの言葉と感情も複製することができるレプリカキットが登場するSF小説である。AIが登場した現代からみると、レトロフィーチャーな世界観となっている。文体も1990年前後の小説風なものであった。

『集中豪雨の話』

夏休みの3冊目

二宮洸三『集中豪雨の話』(出光科学叢書,1975)をパラパラと読む。
微積分の数式が多く、ほとんどのページを読み飛ばした。しかし、現在では「線状降水帯」と呼ばれる集中豪雨の項は目が止まった。線状降水帯とは積乱雲がほぼ同じ場所で次々と発生し、風に流されて行列のように並んでできる細長い形の降水域のことで、激しい雨が何時間と降り続き、土砂災害や洪水を引き起こすものである。
1975年刊行の本書では線状降水帯のことを「豪雨のバンド構造」と称している。少し引用したみたい。

このようなエコー(積雲対流)バンドの停滞による細長い豪雨域の出現は、数多く報告されていることから、豪雨のバンド構造は、豪雨の起こり方の一つの典型だと考えられます。(中略)なぜ、このように集中した収束帯がこのような長さにわたって、しかも数時間維持されるのか、現在のところわかっておりません。なぜなら、このような収束帯は広い洋上に発生するため、軌道衛星の観測によってようやくその存在が明らかになってきたばかりだからです。洋上でこのような現象を把握するだけの高層観測が行なわれる可能性は将来も少ないでしょうが、やがて、日本が打ち上げるであろう気象静止衛星のデータなどによる研究が期待できると思います。

日本初の気象観測衛星ひまわりが打ち上げられたのは、本書が刊行された2年後の1977年の話である。線状降水帯の存在は50年以上前から知られていたが、その研究が始まったのは1977年以降のことで、この数年やっとテレビの天気予報でも広く知られるようになったのだ。