本日で司書教諭の講習が終了した。結果は10月ということなので、楽しみに待ちたい。講習中行ったブックトークの原稿を紹介したい。
ブックトーク
- タイトル:戦争について考えよう
- 対象:中学一年生 試演時間 十五分
- ねらい:ただ事実を並べ年号順に出来事を暗記するだけでなく、写真や評論や絵本を使いながら戦争を多角的に捉えてみる。
- 展開(シナリオ)
紹介する本 ポイントになる言葉・その他
- 野村昇司作『羽田 九月二十一日』(ぬぷん児童図書出版 1988)
夏休み中、テレビや新聞で戦争について考えてみた人はいますか?
8月15日に小泉首相は全国戦没者追悼式の中で次のように述べました。(黒板に掲示する)
では五七年前の日本の敗戦後の様子を見てみましょう。(6ページ程読む) - 『写真記録 日中戦争 5 アジア・太平洋戦争』
一九四一年の真珠湾奇襲攻撃の様子を紹介する
→アジアへの進出は当初非常にうまく行きました。
→シンガポール、フィリピン、インドネシアの戦いの様子を紹介
しかし一九四三年に入ってから連合軍の攻撃が本格的になってから日本軍は段々後退を余儀なくされていきました。
→ガダルカナル島、サイパン島の戦いの写真
当時の小学生は集団疎開をし、中学生は軍需工場で働いていました。 - 『HIROSHIMA 半世紀の肖像』
そして一九四五年八月六日に広島、九日に長崎に原爆が落ちて、日本は一五日にポツダム宣言を受諾して、無条件降伏をしました。
→原爆ドーム、原爆に苦しむ人々の写真を提示 - 『戦時下写真ニュース5 戦地編』
では、どうしてこのような戦争に一億総国民が加担してしまったのでしょうか。当時の日本の政府はこうした戦争のおそろしさを正確に国民に伝えようとしませんでした。
→昭和一八年から一九年にかけての「同盟通信写真ニュース」を五つほど紹介する
当時の音声の悪いラジオ放送の声を真似して紹介 - 家永三郎『戦争責任』(岩波書店 1985)
では、果たして現在の日本の教科書はこうした歴史の真実を伝えているでしょうか。みんなの持ってる日本史の教科書を見てましょう。
→現行の教科書を紹介
当時の新聞に比べるとかなり具体的に書かれていますね。
ここで日本史の教科書検定制度の裁判に長く携わってきた家永三郎さんの本を紹介しましょう。
→「戦争を知らない世代にも責任はあるか」を読む。
戦争責任を戦後責任と読みかえて、今歴史の真実を知ることから、考えていくことの大切さに重点をおいて区切りをつける。