小畠郁生『恐竜はなぜ滅んだか:中生代のなぞ』(岩波ジュニア新書 1984)を読む。
紙幅の大半を個々の恐竜の特徴の解説に割いているのだが、活字だけだとどうにもその恐竜自体の姿が想像できず、丹念に読めば読むほど消化不良を起こしてしまう。また、20年も前の本ということもあるが、表題でうたっている恐竜絶滅については明らかな検証不足に終わっている。
人類は約200万年地球に存在していますが、かりに恐竜の四分の一を生きるとしてもまだ5000万年の未来があります。ここで人類の現況に眼を向けると、新生代を終わらすか、あるいはそれを続けるかは、まさに知能を発達させた人類の責任だと思います。恐竜とは異なり、私たちは理性によって行動を選択できるからです。
上記のようなまとめで筆を置いているが、果たして「理性」で隕石衝突や超新星爆発を防げるのだろうか。それとも『アルマゲドン』のような科学技術の発達と人類の勇敢な行動を筆者は期待しているのか……。