『理系発想で経済通になる本』

和田秀樹(日本実業出版社 2003)を読む。
「理系発想」というタイトルに魅かれて読んでみたが、目新しい中身はほとんどなく、投資家の心構えを大上段に説くといった内容である。高名な経済学者の理論を崇拝する=文系的発想ではなく、下記に彼が述べるように、仮説→実験→検証といった近代科学的手法で「生きた経済」を捉える=理系的発想が必要だと説明する。しかし、心理学を応用すれば経済が読めるようになると喧伝する割には具体的な手の内は隠されたままである。

心理学の理論というのは、それぞれが所詮仮説であって、実際にそれが使える理論であるかどうかは、患者に試してみたり、社会に試してみたりしないとわからないものだという結論に達したことだ。その際に、おそらくは経済学もそういうものなのだろうということを薄々感じた。心理学でも経済学でも、多くの理論があるが、どれが正しいかはやってみないとわからないし、アメリカであてはまることでも日本であてはまらないことがあるのだろう

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