本日の東京新聞朝刊に、新潟県の原発の使用済み核燃料を青森の中間貯蔵施設に搬入する計画に対して、市民団体が東京電力に対して中止の要望書を提出したとの記事が掲載されていた。
使用済み核燃料の放射能が人体に危険のないレベルに下がるまで10万年かかる。10万年の間、地震や火事、火山活動や津波、土砂災害よる被害の生じない場所に保管する必要がある。地質学者によると、日本にはそうした10万年の間、造山運動による影響を受けない場所はないという。北海道の寿都町と神恵内村が最終処分場の候補地として手を挙げているが、10万年の間の安全は誰にも保障できない。
現在は、青森県むつ市の「リサイクル燃料備蓄センター」を最終処分場が決まるまでの一時的な中間貯蔵施設として指定しているが、出口のない貯蔵施設となっている。使用済み核燃料といっても、ウランやプルトニウムなどのまだ燃料として使える資源が95~97%残っていて、政府・東電は再処理を行なって再利用し、高速増殖炉で再利用するという計画であった。しかし、福井県で試験運転を続けてきた高速増殖炉もんじゅは失敗だらけで、2016年に計画が破綻した。そのため、中間貯蔵施設に使用済み核燃料が貯まり続けている。いったい、地震大国日本で、誰が10万年間の安全を口にできるのか。