「寧辺の核施設浸水か」

本日の東京新聞朝刊に、北朝鮮の梅雨前線による豪雨被害の様子が報じられていた。
記事では中国遼寧省との国境に近い寧辺の核施設における甚大な被害の可能性について言及している。先月熊本でも洪水被害があったばかりだったので、少し調べてみた。

下記のグラフが北朝鮮の首都平壌の雨温図である。

再寒月が-3℃未満、最暖月が10℃以上なので、亜寒帯気候だと分かる。また、降雨量に着目すると冬に乾燥するので、ケッペンの区分では「Dw(亜寒帯冬季小雨気候)」となる。季節風の影響を受けるユーラシア大陸東北部に特有の気候区分となっている。なかでも注目したいのが、7月の月間降雨量である。なんと300mmを超えている。ゲリラ豪雨などが頻発する東京でも夏季の平均の月間降雨量は200mmを超えることはない。九州南部や四国南部なみの降雨量である。ダムやスーパー堤防、放水路、遊水池など、様々な治水施設を造っている日本ですら、それらを上回る「想定外」の土砂災害が毎年のように発生している。まして軍事優先の北朝鮮では、「何をか言わんや」である。近隣の住民に情報がしっかりと伝わっていれば良いのだが。

ちなみ草加市の北部に綾瀬川放水路が流れている。年間数回しか水が流れないので、気づかない人も多いかもしれない。こちらは松原団地で何度も浸水被害を出してきた伝右川や綾瀬川が氾濫しそうになった時に、草加・八潮と吉川・三郷との市境を流れる中川に強制的に水を送る仕組みとなっている。こちらは地理巡検の際に紹介したい。