「アフガン タリバン復権3ヵ月」

本日の東京新聞朝刊に、アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバンが政権に復帰してから3ヵ月を迎えた現状を報じていた。

そもそもイスラム原理主義とは、イスラム教の啓典「コーラン」を厳密に字義どおり解釈し、預言者ムハンマドの時代のイスラム共同体を復興させようとするものである。授業でも扱った、イスラム教徒の5つの義務(信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼)に基づく生活や政治、経済を目指し、欧米型の人権や民主主義よりもイスラム法による社会を築こうとする。原理主義そのものが危険な訳ではないが、力づくで原理主義を推し進めようとすると、それ以外の勢力を潰そうという発想に陥ってしまう。

ここ30年ほど米国型の金融資本主義が席巻し、世界中で貧富の格差が拡大している。同じ国民、同じ民族なのに、勝ち組の富裕層と負け組の貧困層の差が浮き彫りになっている。国内で負け組が勝ち組に憎悪を抱くようになると国は維持できなくなる。そうした溝を埋めるために、国家や宗教を全面に出した全体主義が鎌首を擡(もた)げてくる。

2001年の9.11米国同時多発テロに象徴されるように、イスラム原理主義が先鋭化した要因は、ウィナーテイクオールなグローバル経済の方にあるのだろう。