本日の東京新聞に、今秋締結した日米貿易協定に関する簡単な記事が掲載されていた。来月より、米国産の牛肉や豚肉、チーズなどの関税が大幅に下がる。コメだけはTPP交渉と同様の形で、関税を課すことで国内農家に配慮したものの、それ以外の農産品は海外の安い輸入物との際限ない価格競争に晒されることになる。
一方、日本からの輸出の大半を占める自動車や自動車部品については、関税が廃止されると、米国の自動車メーカーが打撃を受け、労働者の賃金や解雇などの実害が生じるということで、追加の関税こそ免れたものの、廃止の見込みはない。
但し、話はこれで終わらない。今後は保険や医療などさまざまな分野についても、米国企業の参入が声高に要求されることは必至である。古い話だが、1858年の日米修好通商条約でも、日本は不条理な大幅譲歩を迫られた。今回の日米貿易協定でも、米国が決めた「市場開放・透明化」を押しつけ、様々な圧力で妥協を迫るものである。
これからの日本の第一次産業がどのように成長・衰退していくのか、その分岐点が2020年ということになるであろう。