本日の東京新聞朝刊に、昨年12月、中国公船が日本の排他的経済水域(EEZ)である東京・沖ノ鳥島沖で日本の許可なく海洋調査をしていたとの記事が掲載されていた。
中国外務省は「沖ノ鳥島は国連海洋法条約上、島の基本的要件を全く満たしていない、岩に過ぎない」とし、日本のEEZを認めていない。日本の外務省は「無断で調査することは認められない」と抗議している。
ウィキペディアによると、記事中の「海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)」では、「島」と「岩」について以下のように定義されている。
第121条 第1項:島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。 第121条 第3項:人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。 |
日本は沖ノ鳥島が海水面に沈んでしまうことを危惧し、海水面から少しだけ顔を出した「島(岩)」の周囲を鉄製消波ブロックとコンクリート製護岸、チタン製防護ネットで完全に保護する手立てを加えている。但し、上記の国連海洋法条約には次のようの条文もある。
第60条 第8項:人工島、施設及び構築物は、島の地位を有しない。これらのものは、それ自体の領海を有せず、また、その存在は、領海、排他的経済水域又は大陸棚の境界画定に影響を及ぼすものではない。 |
沖ノ鳥島自体はホットスポット型火山島なので、人口にできたものではない。但し、沖ノ鳥島の周囲に巡らせた人口物は島とは到底認められない。
ぶっちゃけ沖ノ鳥島が真っ当な「島」かと言われると、日本人でも首を傾げる向きが多いだろう。但し、尖閣諸島や南沙諸島と同じように、中国が軍事的圧力を背景に実効支配を進めるというのは間違いである。あくまで国際的枠組みの会議の中で議論を尽くすべきである。国際捕鯨委員会(IWC)の脱退のように、議論を打ち切るのではなく、会議の中で主張すべきは主張し妥協点を模索すべきである。
また、日本政府は中国に抗議するのと同じレベルで、日本の土地を蹂躙している米軍に抗議すべきである。沖縄を中心に日本の自然が破壊され、日本人の生命が脅かされている。北方領土も同じだが、米軍に対しては寛容・弱腰な態度をとる限り、中国・ロシアを納得させる外交は難しいであろう。